スマート体重計とAI活用→平均3.3キロ減量に成功 東大発のスタートアップ企業、那覇市と読谷村で実証実験

 東京大学発のスタートアップ企業「issin(イッシン、東京)」は25日、同社のスマート体重計や人工知能(AI)を活用して、健康管理を指南するサービスを那覇市と読谷村で実証実験し、参加者が3カ月で平均3.3キロの減量に成功したと発表した。

 同社は、風呂上がりに計った体重を自動でデータ化する「スマートバスマット」を2022年に発売。データを基に、栄養管理士や保健師がLINE(ライン)で利用者とやりとりしながら生活習慣改善を提案するサービス「スマートデイリー」を開発し、県内で実証実験した。

 住民の健康改善に取り組む読谷村はイッシンのサービスを知り、実証実験への協力を提案。23年5月からメタボリック症候群のリスクがある人など平均年齢53歳の26人が参加した。

 その後、スタートアップ企業の実証実験と自治体をつなぐため、県と沖縄総合事務局が始めたプラットフォーム事業を活用し、那覇市での実施も決定。9月から30歳以下の若年層を含めた55人が参加した。

 イッシンの寺田博視取締役は25日、県庁で記者会見し「実証の場を探すのが難しい中、ありがたい機会を得た。サービスを県内の別の自治体に広げたいので、今後もプラットフォームを活用したい」と話した。

 同社は自治体向けに1人当たり3カ月1万9800円で提供。一般向けは今後、1カ月3500~9800円で検討している。(政経部・銘苅一哲)

実証実験の結果を発表するイッシンの寺田博視取締役(中央)と行政関係者=25日、県庁

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