能登空港、羽田便が再開 着便に62人搭乗 久々の実家や被災地支援へ

空港に降り立ち、家族との再会を喜ぶ利用者=27日午前11時38分、能登空港

 全日本空輸は27日、能登半島地震の影響で休止していた能登-羽田便の運航を約1カ月ぶりに再開した。能登空港に到着した震災後初の便には62人が搭乗。降り立った人たちは、久々となる能登の実家や各市町の支援に向かった。

 午前11時23分、能登空港に羽田から航空機が到着し、スーツケースや荷物を持った人たちが続々と降りた。福島県から能登町の実家を訪れるために利用した杉田久美子さん(69)は「家や家族が心配だったが、なかなか来ることができなかった。飛行機が飛んで行き来しやすくなった」と話した。

 羽田便は地震前、毎日2往復運航していた。空港周辺の道路状況などを考慮し、2月末までは火、木、土曜に1日1往復、週3便の臨時便の形で飛ばす。座席は166席。首都圏などに避難する人や、能登の支援に当たる人などの搭乗を想定している。3月以降の運航は今後、判断する。

 地震後、能登空港の滑走路は深さ約10センチ、長さ約10メートル以上のひび割れができ、閉鎖。ターミナルビルの天井パネルが落下するなどした。滑走路は11日に仮復旧し、自衛隊機の離着陸が可能となった。その後、ひび割れで生じた段差解消などの工事が終わり、民間航空機の受け入れも可能になった。

 27日午後の羽田行きの便には、74人が搭乗する予定となっている。

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