沖縄離島避難、内閣官房に検討班 台湾有事の計画策定を加速

沖縄離島住民らの避難計画の課題

 政府は台湾有事といった非常事態に沖縄県の離島住民らを避難させる計画策定に向け、内閣官房に検討班を設置した。避難計画は国民保護法に基づくもので、関係自治体が2024年度にまとめる方針。受け入れ施設や食料の確保、医療と教育の提供など課題が多岐にわたるため、調整役を担う内閣官房の態勢を強化して作業を加速させる。政府関係者が27日明らかにした。

 検討班は事態対処・危機管理担当の内閣官房職員で構成。総務省や国土交通省の出身者が中心で、4月以降は厚生労働、農林水産、文部科学各省からも加わり、態勢を拡充する予定だ。

 避難計画は台湾に近い沖縄県・先島諸島の住民や観光客ら約12万人を九州各県と山口県に避難させる内容。大規模な輸送のため、航空機や船舶の確保、空港、港湾のインフラ整備が必要。避難先の各県では避難者が滞在する施設の選定や食料の備蓄、医療体制構築が求められる。避難が長期化した場合の教育や就労支援も検討する。

 政府は全体計画に先立ち、先島諸島住民を熊本県八代市に避難させる計画を23年度中に策定する方針だ。

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