甲賀市役所の「信楽焼たぬき」、実は発泡スチロール製 職員も気づかぬ精巧さ、誤解招かない表示検討

「信楽焼のたぬき」として紹介されているタヌキ像。発砲スチロールでできているという(甲賀市役所)

 滋賀県甲賀市役所の入り口に鎮座する「信楽焼のたぬき」として紹介されるタヌキ像が発泡スチロール製だったことが分かった。毎日のように見る市職員も多くが気づかず、民話のタヌキのように人をだましていた形だ。市は「非常に精巧にできていて信楽焼をPRしてくれている」と喜ぶが、誤解を生じないような表示をするよう検討する。

 タヌキ像は高さ2メートルで、脇には信楽焼のタヌキの「八相縁起」を紹介する案内札が立てられている。

 信楽焼の女性作家の半生をつづるNHK連続テレビ小説「スカーレット」のPRのため県が製作。県や市によると、イベント会場で使うため軽量で割れに強い発泡スチロールで製作したという。2019~20年のドラマ放映後に市に譲渡されたが、新型コロナウイルス禍で活用機会がなく、市は庁舎入り口に設置した。

 像は緋(ひ)色を基調に表面を荒くするなど信楽焼らしい風合いに仕上げられている。市は「信楽焼に見えるくらいの精巧さがあるならうれしい。今年からは誤解を招かないような表示にした上で、イベントで活用したい」としている。

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