ブノワ・トレルイエが自身のレーシングチーム『トラジェクトゥス・モータースポーツ』を立ち上げ

 長年日本で活躍し、全日本F3選手権やスーパーGT、フォーミュラ・ニッポンでチャンピオンを獲得した経験をもつブノワ・トレルイエが、母国フランスで自身のレーシングチーム『トラジェクトゥス・モータースポーツ』を立ち上げた。2024年はリジェJSカップ・フランス、同シリーズ内で併催されるファンカップに参戦する。

 トレルイエはフランスF3を経て、2000年に来日。無限から参戦した2001年には全日本F3選手権のチャンピオンを獲得すると、2006年にはIMPULからフォーミュラ・ニッポンのチャンピオンを獲得。2008年にはXANAVI NISMO GT-Rのドライバーとして本山哲とともにチャンピオンに。トップドライバーとして大活躍をみせてきた。

 そんなトレルイエだが、スポーツカーレースではアウディのドライバーとして活躍した後、2017年以降は目立ったレース活動は行っていないが、トレルイエ自身は「引退はしていない」とするものの、2024年から自らのチームを率いることになった。

 2020年にトレルイエが設立した高級車コンシェルジュサービスの名を取った『トラジェクトゥス・モータースポーツ』がトレルイエの新チームで、2024年はまず、リジェJSカップ・フランスに2台で参戦。83号車はヴァンサン・ボーティエ、マルティン・ラックマンヌがドライブ。そして84号車には、ヤニック・パナギオティスと、トレルイエの息子であるジュール・カズキ・トレルイエが乗り込むという。

 ボーティエとジュール・トレルイエは、2025年にリジェ・ヨーロピアン・シリーズのスカラシップを得るべくリジェのジュニアプログラムに参加するという。また、ファンカップにも2台をエントリーさせるが、ドライバーは未定だという。

「2020年、僕のキャリアの今後を考えて、美しいメカを愛する人たちと情熱を共有したいと思って、プロヴァンスのゴルドで高級車コンシェルジュサービスをオープンするアイデアを思いついたんだ。そして数ヶ月前に、今度は僕の経験を共有したいという思いから、トラジェクトゥス・モータースポーツを立ち上げるアイデアが生まれた」とトレルイエ。

「僕が若手だった頃は、まだタバコ会社や石油会社がバックアップするさまざまなプログラムがあって、若手が手頃なコストでスキルを磨くことができていた。僕がアンリ・ペスカローロのプログラムでフォーミュラ・ルノー・キャンパスに参戦できたようにね。でも今は、そういった機会は少なくなっているんだ」

「今回、リジェのジュニアプログラムをサポートすることで、リジェ・ヨーロッパシリーズに繋げるスカラシップを目指す若手を起用することができる。今回はヴァンサンとジュールがそれにあたるんだ。僕の経験が彼らの役に立てるようにしたいけれど、現場のコーチング以外にも、時間を守ったり、仕事のあらゆる側面を理解してもらいたいと思っているよ」

長年日本、そしてアウディのドライバーとして活躍してきたブノワ・トレルイエ

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