全米映画俳優組合 実弾誤射事故での米俳優再訴追に抗議声明「銃器の点検は演技者の責任ではない」

全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がアレック・ボールドウィン(65)が再訴追されたことを受けて抗議声明を発表した。

アレックは、2021年10月、主演映画「ラスト」の撮影現場で持っていた小道具の銃が暴発して撮影監督のハリーナ・ハッチンスさんが死亡した事故で、現在過失致死罪で訴追されている。今回同組合は俳優の仕事は武器の「専門家」ではないと主張、最高1年半の懲役を言い渡される可能性があるアレックを擁護したかたちだ。

同組合は、声明の中で「1月19日に申請された訴状は、銃器の不注意な使用容疑に基づいていますが、同件、ならびにどの俳優であれ、使用時に銃器を点検する義務があるというのは、撮影現場における俳優の実際の業務を誤って認識しています。俳優の仕事は、銃器や武器の専門家でいることではありません。撮影で使用される銃器は、安全で正確な使用に対する直接の責任者である複数のプロの専門家のガイダンスに従って提供されています」と語った。

そして「ガイドラインは、銃器の点検は演技者の責任としていません。演技者は演技の訓練をしており、銃の専門家である、もしくは銃使用の経験がある必要はありませんし、期待されてもいません」と続け「業界は、銃器の使用や扱いのあらゆる側面を管理する資格を持つプロにその責任を課しています」とした。

しかしハッチンスさんの遺族を担当する弁護士は、同声明に対し「映画のセットで俳優が武器を持ち、それを誰かに向けて発砲した際に、俳優には責任がないという考えは、常識や法律を無視したもの」と批判的な声明を発表。「訴追するという大陪審の決断に従い、刑事司法制度のもと事実を見極める裁判が行われることが重要」と主張している。

アレックは2023年1月にも一度訴追されたが、僅かその3か月後には容疑が取り下げられており、当時も同組合が抗議声明を発表していた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

© 株式会社神戸新聞社