珠洲、いつ帰れるのか 富山のホテル「ぜいたくなくらい」

ロビーのテレビで大相撲を観戦する珠洲市の避難者=富山市のホテル

  ●集団避難1週間、2地区の104人

 能登半島地震で被災した珠洲市民が富山市のホテルに集団避難を始めてから27日で1週間がたった。避難者は衣食住のそろった生活に満足しているものの、いつ故郷に帰れるのか見通しが立たない現状に不安も抱えている。

 珠洲市大谷地区と宝立地区の住民104人は20~23日、1次避難所から富山市のホテルに移動した。

 同市大谷町の70代女性は避難所だった大谷小中学校での暮らしと比べ、ホテル生活は「ぜいたくなくらい」と言い、感謝した。それでも「すぐにでも大谷町に戻りたい。仮設住宅入居の申し込みはしたけど、いつになるんか」と話した。

 同市馬緤町の60代女性も珠洲に戻るつもりだというが「やらにゃならんことはいっぱいあるけど、何からしたらいいか分からんし、何もできん」と焦りをにじませた。

  ●楽しみは郷土力士の活躍

 27日、ホテルのロビーでは、避難者がテレビを囲んで大相撲を観戦していた。穴水町出身の遠藤や津幡町出身の大の里ら石川の郷土力士の活躍が避難生活の楽しみの一つになっている。

 避難者は歓声を上げたり、手をたたいたりしながら、取組を見届けた。大相撲ファンだという珠洲市馬緤町の女性(84)は「やっぱり遠藤、大の里に頑張ってもらいたい。勝つとうれしいね」と声を弾ませた。同市大谷町の70代男性は「大の里は石川だけでなく、角界のホープ。今場所は立派や」と、この日、10勝目を挙げた新星をたたえた。

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