高木毅氏「記載漏れ認識なかった」還流1019万円、返還しない考え 安倍派裏金巡り福井で会見、議員辞職は否定

安倍派の政治資金パーティー裏金事件で急きょ記者会見を開き、記者の質疑に応じる高木毅前自民党国対委員長=1月27日、福井県敦賀市のニューサンピア敦賀

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件で、同派事務総長の高木毅前国対委員長(衆院福井2区)が1月27日、福井県敦賀市内で記者会見を開き、2018~22年に同派から還流を受けていた1019万円の政治資金収支報告書への記載漏れについて「(事務担当者から)収支の概要について報告を受ける程度であり、記載されているものだと思っていた。しっかり確認するべきだった」と謝罪した。離党や議員辞職は改めて否定し、国対委員長辞任によって政治責任を果たしたとの認識を示した。

 高木氏はパーティー券販売について、購入者に専用の銀行口座に代金を振り込んでもらい、パーティー終了後に派閥事務局に納めていたと説明。ノルマ超過分はその後、派閥事務局から還流を受けていたとした。

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 不記載について「派閥の事務局から、当方の事務担当者に収支報告書に記載しなくていいという指導があり、(事務担当者は)記載をせずに収支報告書を作成し提出していた。私は記載漏れという認識はなかった」と述べた。派閥に納めない「中抜き」は否定した。

 不記載額は18年66万円、19年88万円、20年420万円、21年335万円、22年110万円。同僚や後輩議員、マスコミ、有識者との意見交換会の飲食費、会合費、交通費などの政治活動に全額使ったとし、返還しない考えを示した。領収書やレシートは「秘書に渡していたが今は残っていない」と話した。

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 販売ノルマ超過分の議員への還流再開を決めたとされる22年夏の派閥幹部の協議には「全く関わっていない」と改めて否定した。

 政治資金収支報告書を近く訂正するとし「政権与党の一員として信頼回復に努め、国や福井県の課題を解決することが私の務めだと思っている」と話した。

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