和モダンや伝統工芸の技…これが北陸新幹線の駅か 福井県の芦原温泉駅と越前たけふ駅で一般向け内覧会

明るくモダンな雰囲気のコンコースを一足早く見学する参加者ら。行燈風の柱が温泉らしさを醸し出している=27日、あわら市の新幹線芦原温泉駅
越前和紙の技法「流し漉き」をイメージした和紙照明に迎えられ、改札へと向かう内覧会参加者=27日、越前市の北陸新幹線越前たけふ駅

 北陸新幹線の福井県内開業まで50日を切り、芦原温泉、越前たけふの両駅舎で1月27日、一般向け内覧会が開かれた。子どもからお年寄りまで両駅合わせて2千人を超える市民らが参加。新築の駅舎コンコースやホームを隅々まで見学し、開業を心待ちにしていた。

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芦原温泉駅/明るい和モダン、温泉地らしさ

 明るくモダンで和の雰囲気を醸し出しているあわら市の芦原温泉駅には、市内外から約800人が参加。開放感あるコンコースや福井らしさが詰まったホームなどをくまなく見学した。

 柔らかな間接照明を施した折り上げ天井がデザインされたコンコースは、県産スギを使った行燈(あんどん)風の柱が施されるなど随所で温泉らしさも感じられる。友人同士で訪れたあわら市の女性(83)は「和風な感じがあわららしく、立派な駅舎。この年まで生きていてよかった」と感慨深げな様子だった。

 ホームでは東尋坊や永平寺、平泉寺といった嶺北の観光地などがあしらわれた安全柵や、「芦原温泉駅」の駅名標を背景に記念撮影する家族連れも。試運転中の新幹線車両が到着すると、興奮気味に列車を写真に収めている姿もあった。

 電車が大好きという地元の男児(2)は「新幹線で東京に行きたい」と目を輝かせ、母親(31)は「早く新幹線に乗せてあげたい。開業が待ち遠しい」と話した。

越前たけふ駅/伝統工芸の技、随所に

 越前市の越前たけふ駅の内覧会には県内外から約1500人が参加。福井県丹南地域の伝統工芸の技が随所にちりばめられた駅舎内を満喫した。

 参加者は、コンコースを彩る越前和紙の技法「流し漉(す)き」をイメージしたデザインの天井照明や、柱に施された越前漆器の朱塗り、越前指し物のパネルなどをじっくりと見て回った。

 注目を集めたのが、菊の模様があしらわれた高さ4メートル、幅10メートルの越前和紙が壁一面を飾るコンコース待合室。バックライトで照らされ、温かな光で包まれる圧巻の空間をカメラに収める姿が見られた。家族4人で訪れた越前市の男性(39)は「駅舎全体からものづくりの意匠が感じ取れて感動した。県外客にも楽しんでもらえるのでは」と笑顔を見せた。

 試運転中の新幹線車両がたびたびホームを通過し、参加者は開業に期待を高めていた。鯖江市惜陰小の4年生男児は「北陸新幹線にはまだ乗ったことがないので早く乗りたい。県外に住むいとこの家に遊びにいきたい」と声を弾ませた。

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