小田凱人が全豪初優勝で再び1位の座に! 生涯グランドスラムに残すは全米のみ[全豪オープン]

小田凱人、世界1位を圧倒しグランドスラム3勝目

1月27日、「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)車いす男子シングルス決勝が行われ、第2シードの小田凱人(東海理化/世界ランク2位)が、第1シードのアルフィー・ヒュウェット(イギリス/同1位)を6-2、6-4で下し、全豪オープン初優勝。生涯グランドスラム達成に残すは全米オープンだけとなった。

昨季、全仏オープンとウィンブルドンを制すなどを制し、史上最年少17歳33日で世界ランク1位となり頂点に立った小田。

初戦で三木拓也(トヨタ自動車/同10位)を下すと、2回戦では全米オープン1回戦で敗れたグランドスラム単複通算22勝のレジェンド、ステファン・ウデ(フランス/同9位)を圧倒。準決勝では2016年のリオパラリンピックで金メダルを獲得しているゴードン・リード(イギリス/同5位)を7-6(4)、7-5で破り、2年連続の決勝に進んだ。

その相手となったのが、第1シードのヒュウェット。昨年大会決勝で敗れた相手だが、その後の全仏オープンとウィンブルドン決勝で撃破し、今大会の前哨戦「メルボルン・オープン」決勝でも破って、3連勝中だった。

決勝開始直前、小田よりも一足早くジュニア男子シングルス決勝を戦った坂本怜(誉高校)が日本男子として史上2人目となるグランドスラムジュニアのタイトルを獲得。同じ愛知出身、17歳の小田は、「同じ日本人がジュニアのタイトルを獲ったから、この試合に勝たなきゃいけないんだという気持ちになる」と同郷の坂本の活躍で火がついた。

第1セットは落ち着いた立ち上がりだったが、第5ゲームでリターンから攻め込むとこの日最初のブレーク。第7ゲームでも小田のプレッシャーにヒュウェットが3本のダブルフォールトを犯すなど、流れを自ら引き寄せて1-2から一気に5ゲーム連取でセットを奪う。

第2セットも磨き上げてきたパワーテニスを披露。ピンチを迎えた第6ゲームでは、今大会最速となる174キロのサーブを放ってキープすると、直後に2度目のブレークをする。最後までリードを保った小田が全豪オープン初優勝を果たした。そして、翌週に更新される世界ランキングでは再び1位に返り咲くこととなる。

表彰式では「数年前まではこのコートも使っていなかったし、もっとでっかいコートでやりたいと思って、常にどうしたらいいか考えてここまで自分のプレーを貫いてやってきました。日本の子供たちにはいい姿を見せられたかなと思います。これからもいい姿を見せられるように頑張っていくのでチェックしてください」とした。

昨季に全仏オープンとウィンブルドンを制した小田は、今年最初のグランドスラムとなった全豪オープンのタイトルを獲得。生涯グランドスラムに残すは全米オープンのみとなった。

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