原作コミックや予告から「スパイダーマンとの関係」「マダムの正体」を解説!マーベル初の本格ミステリー・サスペンス映画『マダム・ウェブ』注目ポイント

『マダム・ウェブ』© & ™ 2023 MARVEL

マーベル初の本格ミステリー・サスペンス

『スパイダーマン』のソニー・ピクチャーズが贈る、マーベル初の本格ミステリー・サスペンス『マダム・ウェブ』が2024年2月23日(祝・金)より日本公開となる。

今までのマーベルにない本格”ミステリー・サスペンス”と称される本作だが、先日解禁された予告映像にも登場した「蜘蛛」というキーワードから気になるのは、スパイダーマンとのつながりや、マーベル、そしてソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)との“つながり”だ。

マダム・ウェブとは何者なのか? 気になるスパイダーマンとの関連は? そして今後の作品にどうかかわってくるのか……? ということで、すでに解禁されている公式情報と原作コミックの情報をもとに、注目ポイントを紹介したい。

マダム・ウェブ=「ソニー版ドクター・ストレンジ」?

本作で新たに登場する新たなキャラクター、マダム・ウェブ。原作コミックでは本名をカサンドラ・ウェブといい、重症筋無力症(※指定難病である自己免疫疾患)に神経を侵された盲目の老婆ながら、テレパシーや未来予知などの超能力を持っているキャラクターとして描かれている。

一方で、これまでのスーパーヒーローと異なるのは、S・J・クラークソン監督が「スパイダーマンのように空中を舞ったり、ヴェノムのように変身する能力はない」と語るように、あくまで予知能力だけに長けており、フィジカルな能力は人間のまま。つまり彼女は、直接戦ったりアクションをこなしたりという能力は持ち合わせていない。その能力とスタイルから、「ソニー版ドクター・ストレンジ」とも形容されることも。

今回の映画では、そんなマダム・ウェブの誕生の秘密が描かれる。予告では主人公のキャシー・ウェブがニューヨークで救命士として働き、生死を彷徨う大事故にあったことをきっかけに”未来予知”能力が覚醒する様子が描かれている。しかし、その能力は未完成で不安定。未来は視えるけれども、それがどんな結果をもたらすのかは彼女自身にもわからないのだ。

なぜ彼女がマダム・ウェブになったのか? その未来予知の能力によって、いったい何を見たのか……?

気になる「スパイダーマン」とのつながり

原作コミックにマダム・ウェブが初登場するのは、「The Amazing Spider-Man #210」(1980年)。つまり、スパイダーマンやスパイダーウーマンとも深い関わり合いのあるキャラクターであり、スパイダーマン/ピーター・パーカーを助け、導いていくポジションとして描かれている。そんな彼女が主人公として描かれる映画だけに、『スパイダーマン』シリーズとの関係性も気になるところ。

実際、キャシーが働いているのはニューヨークで、予告にもおなじみの地下鉄や、ピーター・パーカーが通っていたミッドタウン高校のシャツを着た客が登場している。さらに注目したいのは、キャシーが視た未来で謎の男に狙われている、ジュリアー、マティ、アーニャという少女3人。予告では彼女たちを狙う男から「彼女たちには秘密がある」と告げられているが、彼女たちもただの少女ではないようだ。原作コミックでは同じ名前を持つ女性たちが後のスパイダーウーマンやスパイダーガールとなっており、予告でもスーツに身を包む姿が描かれているだけに、今後彼女たちが活躍することは間違いなさそう。

コミックではスパイダーマンをサポートしてきたマダム・ウェブだが、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で描かれたように、スパイダーマン/ピーター・パーカーがすべての人たちの記憶から消えてしまったことで、本作ではスパイダーウーマンたちを助ける存在として描かれる可能性は高い。もちろん、スパイダーウーマン/ジェシカ・ドリューも登場した『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』とつながる可能性も高く、S・J・クラークソン監督が「マダム・ウェブが4人のスーパーヒーローの世界をつなぐ」、そして「すべての運命は彼女から始まる」と明かすように、その中心人物として未来が見える『マダム・ウェブ』が存在することになりそうだ。

今後の<SSU>でも重要な物語が描かれる可能性が?

今後のSSUに影響を与えそうなのは、スパイダーウーマンたちだけではない。予告では、敵として3人の少女を狙う“エゼキエル・シムズ”も今後の重要人物になりそうだ。

キャシーが地下鉄で未来を見たことで対立する様子が描かれるエゼキエル。一見、本作の敵のようにも見えるが、キャシーの亡き母とアマゾンでクモ研究をしていたことも明らかとなる。さらに、どうやらキャシーと同じく”未来予知” もできる模様。キャシーと3人の少女たちとの戦闘シーンや、黒いスパイダーマンが描かれており、彼の“目的”がきになるところだ。

エゼキエル・シムズといえば、原作コミック「Amazing Spider-Man (Vol.2) #30」(2001年)ではスパイダーマンと同じクモを手に入れた男として登場しており、ピーターの指導者かつ協力者として活躍するキャラクターとして描かれている。それだけでなく、原作コミックではスパイダーマンのパートナーであるシルク/シンディ・ムーンを導く存在でもあり、今後ドラマ『Silk:Spider Society(原題)』の制作も決定している。

シンディ・ムーンはすでにピーター・パーカーの同級生として『スパイダーマン:ホームカミング』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも登場しており、衝撃のクライマックスに全世界が沸いた『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に関連するエピソードも登場する可能性がある。

ほかのキャラクターと異なり、驚異的な身体能力を持たないがゆえに、未来予知によって描かれるマーベル初の本格ミステリー・サスペンスとなる『マダム・ウェブ』。キャシーを演じるダコタ・ジョンソンが「知性こそが彼女のスーパーパワー」と語るように、その活躍も、今後とのつながりもこれまでとは全く異なる展開を見せることは間違いない。

数々の謎が“ウェブ”のように、どう結びついていくのか?公開に向けて引き続き注視していきたい。

『マダム・ウェブ』は2024年2月23日(祝・金)より全国公開

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