金子大地、池松壮亮、岡山天音ら「ユーミンストーリーズ」新キャストが発表

NHK総合では、3月4日から夜ドラ「ユーミンストーリーズ」(月~木曜午後10:45)を3週にわたって放送。夏帆麻生久美子宮﨑あおいがそれぞれ主演を務める、三つの短編ドラマの新たな出演者が発表された。

幅広い層に愛されるユーミンこと松任谷由実の名曲からインスピレーションを得て、3人の小説家が生み出す三つの物語「ユーミンストーリーズ」。ドラマ化をするために、映画、ドラマ、ミュージックビデオなどで活躍する3人の監督、3人の気鋭脚本家、豪華出演者、トップクリエーターが集結した。それぞれの創造力が掛け合わされたストーリーは、郷愁の念を抱かせ、切ない気持ちへと誘い、一歩前に踏み出す勇気を与える。1日の終わりの15分間、ユーミンの名曲に思いはせながらホッと一息つけるオムニバスドラマをおくる。

夏帆が主演を務める第1週「青春のリグレット」には、金子大地片桐はいり中島歩が出演する。結婚して4年で夫に浮気され、夫婦関係が破綻しかけている菓子(夏帆)。まだやり直せると考えた菓子は、夫の浩介(中島)を旅行に誘うが、その旅先で昔ある人に言われた言葉が、実は重要な意味を持っていたことに気付く。青春時代の記憶が後悔となって呼び起こされる、ほろ苦い恋の物語だ。

金子が演じるのは、菓子の元彼・陸。付き合って1年になる頃、気持ちが冷めていく菓子の気を引くために、旅行を計画した。金子は「松任谷由実さんの曲は、僕も子どもの頃から親しみのある曲が多く、その中の曲をドラマにして自分が参加できるなんて本当にうれうれしかったです。『青春のリグレット』は誰しも経験があるのではないかなと思います。夏帆さんを筆頭にすてきなチームで作り上げたドラマを皆さんにぜひ見ていただきたいです」とアピール。

片桐が扮(ふん)するのは、菓子が旅行した先で立ち寄る、サンドウィッチや牛乳を販売するお店「しらかばヒュッテ」の店員。彼女の一声をきっかけに菓子は意外な事実を知ることになる。片桐は「胸のどこかをずうっとツネられているような気持で台本を読みました。ここでちょっと箸休め…と思ったら、片桐の出番でした。菊地(健雄)監督の丁寧な演出でどんなすてきなドラマになるのか楽しみです」と、作品の仕上がりに期待を寄せる。

中島が担う菓子の夫・浩介は、共通の知り合いを通じて菓子と出会い、彼女の押しに負けて結婚。しかし、自ら進んでした結婚ではないという気持ちが拭えないまま4年がたち、思わぬ転機が訪れる。中島は「岨手(由貴子)さんの脚本、菊地さんの演出、夏帆さんの相手役という、ずっと心のどこかで思い描いていたような企画でした。それをNHKの『夜ドラ』というナイスな場で、しかも大好きなユーミンさんにちなんだ作品でごきげんでした。 真っ当に生きることに疑問を感じている方には、特にご覧いただきたいです。もちろん真っ当に生きることを諦めている方にもご覧いただきたいです」と、本作への出演への喜びを語っている。

麻生が主人公を演じる第2週「冬の終り」には、篠原ゆき子伊東蒼、クリスタル ケイ(Crystal Kay)、浅田美代子が登場。スーパーマーケットでパートとして働く藤田朋己(麻生)は、新しく入ったパートの仙川真帆(篠原)と全く会話が続かず、気まずい思いを募らせる。しかし有線である曲が流れた時、初めて変化が訪れた。もう一度、少しだけ日常に変化を。1人の思いをくみ取ったパート仲間によって、ちょっとした大ごとに発展してしまう友情物語が展開される。

篠原が演じる仙川は、東京でウェブデザインの会社に勤めていたが、父親の介護で実家に帰って来た。現在はスーパーの中にあるフードコート「コンタちゃん」でパートをしている。さらに、同じスーパーの鮮魚売り場を担当するパート・みつき役を伊東、生鮮売り場を担当するパートタイマーたちの信頼が厚い正社員・前田役をクリスタル ケイ、鮮魚売り場を担当するパート10年目のベテラン・定岡正子役を浅田が担う。

篠原は「『あぁ、私この話すごく好きだ』出演が決まって台本を読み終えた時、ストレートにそう思いました。その後すぐに、車の中で『冬の終り』を聴いてみたら、涙がツーツー流れてきて。それからは毎日『冬の終り』ばかり聴いていました。麻生久美子さんをはじめ、大好きな役者陣と共演できること、そして素晴らしいスタッフ陣とご一緒できること、とにかく撮影が楽しみでした。曲『冬の終り』の最後に『あの頃の 私たち 同じだけ 楽しかった』という歌詞があるんです。この作品のすべてが詰まったフレーズだなと思います。ぜひご覧ください。私はユーミンの曲が、この作品の世界が、大大大好きです」と、作品への愛があふれるコメント。

伊東は「お話をいただく以前から原作を読んでいたので、みつきを演じさせていただけて少し運命を感じて、すごくうれしかったです。年齢や関係を超えた友情が温かく描かれていて、自分の中での友情の解釈が大きく広がり、現場でもキャスト・スタッフの皆さんが常に温かい雰囲気をつくってくださり、短い撮影でしたが、みつきたちの間にあった“友情”に近いものを感じました。私がそうであったように、この作品が今まであまり聴いたことのなかった方たちが、松任谷由実さんの温かくそっと寄り添ってくれる楽曲に触れる機会になってくれればいいな、と思っています。ぜひご覧ください!」と、楽曲に通じる空気感の中で撮影が行われたことを伝える。

クリスタル ケイは「出演のオファーが来た時は、速攻で出ますと返事させていただきました! ユーミンさんのセレブレーションに参加できるのと、素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できることがとてもうれしかったです。エンターテイナーとして、演技もずっとずっと興味を持っていて、もっと日本のテレビでもストーリーテラー的なことをやりたいなと思っていました。前田役は外国人でありながら、日本で育って、この小さなコミュニティーの中でアイスブレーカー的な存在なのかなと、自分なりの解釈で挑戦させていただきました。キャストの皆さんのキャラクターもとてもリアルでストーリーもとても日常の中での人間同士のつながり、思いやり、飾らないユーモアがあふれていてとても楽しかったです。皆さんにぜひ楽しく見ていただきたいです」と、貴重な経験となったことをうかがわせる。

浅田は「ユーミンの歌をドラマにするという企画に面白いと思いました。私はスーパーマーケットで10年働くベテランで、若いみつきとなぜか仲がいい。この話の中で私の役は楽しく遊ぶことができました。箱田(優子)監督とのお仕事は初めてだし、麻生久美子さんとも初めてでしたが、あっという間に仲良くなり、楽しい元気な現場でした」と、充実した撮影期間となったことを報告している。

宮崎あおい主演による第3週「春よ、来い」には、池松壮亮白鳥玉季小野花梨岡山天音田中哲司が出演。一族が持つ“あれ”の力を授かったカナコ(宮﨑)。誰のために使ったらいいのか。亡くなった母は誰のために使ったのか。疑問の答えを求めてたどり着いた先に、同じ“あれ”の力を授かった衣笠雄大(池松)、生きることをつらく感じる中学生の多英(白鳥)が見えない糸で導かれる。誰かを思う気持ちが春を連れてくる、温かなストーリーが繰り広げられる。

池松が演じる雄大は、“あれ”の力を持つ住宅販売会社の社員。脳梗塞を患った父親の看病のため、実家のペンションに帰って来る。そして、3年前に両親を事故で亡くした中学1年生で、叔母の谷川なりみ、祖父の草平と3人で暮らしている上原多英役に白鳥。スノードーム作家を生業とし、両親を事故で亡くした多英を絶えず気にかけているなりみ役を小野。カナコの務める文具メーカーにも営業に訪れるが、存在感が薄く周りから気付かれにくい保険会社の社員・千崎倫也役に岡山。そして、海辺でペンションを営む雄大の父・衣笠充流役を田中が務める。

池松は「監督の奥山(大史)さんに誘われ、とてもすてきな物語に出合いました。『春よ、来い』という名曲から、こんな物語が生まれるなんて。この世界の結びつきと、人を思うこと、誰かの幸せを願うこと、そして愛の発見を導いてくれるような作品です。春を待ちながら生きる、春を望む私たちを照らす、光の粒のように優しく美しい作品になるのではないかと思います。2024年の春にこのすてきな作品を届けられることを幸せに思います」と心境を述べる。

白鳥は「衣装合わせで奥山監督から『多英は白鳥さんが演じやすい役なのかもしれません。でも今までみたことないような部分も見せていけるといいですね』という言葉をいただきました。監督と相談をして、今まで挑戦してみたかった芝居にもチャレンジをしながらとても楽しく撮影に臨んでいます。見てくださる方も心がいっぱいになる作品だと思います。楽しみにしていてください!」と、やりがいを感じながら新たな演技に臨む。

小野は「幼い時から『春よ、来い』はいつも側にいて、どんな時でも温かく包みこんでくれました。そんなこの曲の持つ淡い優しさと切なさがぎゅっと詰まった脚本だと思いました。豊かな温もりのあるこの作品の一部になれる喜びをかみ締しめながら演じさせていただきます」と真摯(しんし)に向き合う。

岡山は「僕が演じさせていただく千崎は、宮﨑さん演じるカナコと、お互いの人生を徐々に交差させていくキャラクターです。自分だけが歩いてきた一本道と、誰かの一本道がふと交わった時に生じる面白さと美しさを、見てくださる皆さまにも味わっていただきたいです。千崎というキャラクターを大切に楽しんで演じたいと思います。ドラマをご覧になる皆さまのもとに、暖かな日がやって来ることを祈っております」と役柄を紹介しながら、視聴者に向けメッセージを送る。

田中は「最初に台本を読んだ時に、ごく日常なのに、ちょっと不思議で、とても温かい作品だと思いました。あー、こういうの好きだなぁ、と。三つのストーリーがそれぞれ淡々と進行していく中で、僕は池松くんの父親役で参加しました。久しぶりの再会は月日を感じさせず自然に親子になれた気がします。そして池松くんとしか絡んでないくらい、ずっと一緒で心地よい濃い時間を過ごせました。ですので見どころは池松くんとの少し微妙な親子関係です。僕自身も完成が今から楽しみです」と、親子を役を演じた池松との共演を見どころに挙げている。

なお、ドラマのキーとなるユーミンの名曲「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」とは別に、物語を彩る劇伴音楽を、コンサートではたびたびユーミンの「卒業写真」をカバー演奏しているアーティスト・青葉市子が担当。

青葉は「ひとりぽっちでは味わえない、幾つもの人生の物語を、こうして分けていただけること、音楽と共に寄り添えることを幸せに思います。風景や心模様によって、こんなにも音楽は変幻自在に踊ることができるのだと日々発見しては喜んでいます。どうぞお楽しみください」と、作品に携わることができた喜びを表している。

© 株式会社東京ニュース通信社