水郡線利用へ意識醸成 沿線高生徒らが促進策 茨城・大子でシンポ

水郡線の利用促進策を提案した沿線高校の生徒ら=大子町大子

全線開通から90周年を迎えるJR水郡線の利用を促す「マイレール意識醸成シンポジウム」が27日、茨城県大子町大子の町文化福祉会館まいんで開かれた。沿線高校に通う生徒らが利用促進策を提案したほか、専門家や地元関係者によるパネルディスカッションなどを実施。地域全体で路線を支えようという意識の醸成を図った。

シンポジウムは、茨城県や大子町など6市町でつくる県水郡線利用促進会議(会長・大井川和彦知事)が主催。地元住民や沿線自治体の関係者ら約300人が参加した。

会場では沿線高校の生徒が水郡線の利用促進策について、昨年取り組んだ研究成果を披露。茨城高が水郡線の新たなグッズ開発や駅を中心としたまちづくりについて説明したほか、県立小瀬高はサイクルトレイン導入による平日の通勤通学利用客拡大策などを提案した。

その後、パネルディスカッションが行われ、地元商店街の店主や商工会など、地域住民らが議論。水郡線が果たしてきた役割を再確認しながら、「鉄道を地域で支え育てる」「駅に人が集まる場所づくり」など、今後の取り組みについて意見を交わした。

京都大名誉教授の中川大さんは「地方鉄道路線は地域の宝物」をテーマに基調講演。地域住民による活動の盛り上がり、沿線自治体の連携の重要性などを解説した。大井川知事は「地域の足として存続するためには、沿線住民がわがこととして考えることが大事」と述べた。

© 株式会社茨城新聞社