「公立別学校は教育の多様性」 「共学化」巡り浦和高でOBらから意見聴取 “推進”求める声も

埼玉県教育局と浦和高校同窓会による意見聴取会合=27日午前、県立浦和高校

 埼玉県立男女別学高校の「共学化」の議論を巡って、埼玉県教育局は27日、浦和高校で同校同窓会(野辺博会長)や在校生保護者から意見を聴いた。

 同窓会との会合には同校OBら約110人が参加。それぞれの共学化に対する思いや要望を語り、議論の発端となった県男女共同参画苦情処理委員による勧告に関して意見などを述べた。

 会合では、共学化反対や勧告への疑問の声が噴出。OBの一人は「公立高校で別学校があってもいい。逆にそれが埼玉の教育の多様性を示す全国に誇れるものではないか」と訴えた。

 また別の参加者は、国内の別学校が減少傾向にあるとした上で、「他方で、(日本の)ジェンダーギャップ指数は下がってきている。(共学化は)男女共同参画に資するものではない」と話し、勧告の内容に疑問を呈した。

 一方、OBの中には共学化推進を求める声もあった。ある参加者は「県民が税金を納めてやっている学校で、一番大切なのは教育機会の均等だ」と話し、さらに別のOBは「勧告の内容に全て賛成というわけではない」とした上で、有志連名の共学化推進の意見書を読み上げた。

 在校生保護者との会合には、約150人が参加。保護者からは「(息子が同校で)幸せに暮らして、一生の友人を得て、なんて別学っていいものなんだと思った」といった声や「在校生のほとんどが反対していると聞いている。親として、子どもが反対するのであれば反対したい」といった意見が挙がった。

 同校保護者らは共学化に関する意見書(延べ767件)を同日付で教育局に提出している。

 意見聴取を実施した同局県立学校部の依田英樹高校改革統括監は、取材に「さまざまなご意見を頂いた。共学化推進、維持それぞれのご意見について、教育委員会として情報を共有し、今後の対応に生かしたい」と述べた。

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