水曜日だけのカフェ 佐世保に開店 坂の町の新しい居場所に 70歳女性の新たな挑戦

店内を紹介する宮﨑さん=佐世保市、みねカフェ

 「地域の人らの居場所になれば」と、水曜日だけ開店する「みねカフェ」が、佐世保市峰坂町にオープン。店主の宮﨑千鶴子さん(70)は「この年齢で新しいことを始めるのには勇気がいったけれど、一歩踏み出して夢をカタチにしてよかった」と目を輝かせる。
 宮﨑さんは5年ほど前に市内の別の場所から峰坂町に転居してきた。暮らしてみると、坂が多い同町では高齢者の移動が大変で市の中心部に行くことが難しく、近所に公的な施設以外で集えるような場所もほとんどないことが分かった。
 元々いつか飲食店ができたらと思っていた宮﨑さんは、地域の人の後押しもあり「集う場所の提供をしよう」と、昨年9月に自宅横の貸家を活用して「みねカフェ」を開いた。店名は町名などにちなんでつけた。
 他の仕事をしながら施設に入所している93歳の実母の介護もしているため、今のところ開店は週に一度だけ。オープン当初は店を開く時間があるなら「母の介護にもっと力を注ぐべきでは」との葛藤があったが、母親に店のことを話すと「いいことを始めたね」と喜んでくれたという。今では訪れる人との語らいが楽しく、「自宅にいるよりカフェにいる方が楽しい」と声を弾ませた。
 メニューはホットのコーヒーか紅茶のみで、お菓子も付いて200円。弁当など食べ物の持参も可能。今後は開店日を増やして駄菓子も置くなど、子どもや大人がもっと来やすい環境をつくりたいと夢は膨らむ。
 宮﨑さんは「小さな一歩でも踏み出せばこんなに新しい世界が広がるのかと驚いている。山あり谷ありの人生だったけど今が幸せだからオールオーケー。気軽にお越しください」と笑顔で話した。水曜日、午前10時~午後4時。問い合わせは宮﨑さん(電080.5215.2867)。

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