夫は64歳、年金をもらう前に亡くなれば、配偶者の私には年金の何割かはもらえるんでしょうか?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、夫が年金をもらう前に亡くなった場合の配偶者の年金について、専門家が回答します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。 今回は、夫が年金をもらう前に亡くなった場合の配偶者の年金についてです。

Q:夫が年金をもらう前に亡くなれば、配偶者の私は年金の何割かはもらえるんでしょうか?

「主人は来年12月で64歳になります。夫が年金をもらう前に亡くなれば、配偶者の私は年金の何割かはもらえるんでしょうか? 夫は厚生年金に526カ月加入しています。よろしくお願いいたします」(ネコ)

A:夫の死亡日時点で18歳になった年度の3月31日までの子などがいない場合は、夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額がもらえます

老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまで、40年間(480カ月)支払う必要があります。相談者の夫は年金保険料を526カ月(43年10カ月)支払っていたとのことですので、20歳になる前から厚生年金に加入して働いていたとのことと思います。 国民年金や厚生年金保険に加入している人・加入していた人が、亡くなった時点で、その人に生計を維持されていた遺族は、遺族年金を受け取ることができます。 遺族年金には、亡くなった人が加入していた保険制度によって、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の2種類があります。 遺族基礎年金、遺族厚生年金を受け取るには、受給要件があります。亡くなった人に年金の加入状況によって、どちらか片方のみ受給・両方受給できる場合もあります。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、18歳になった年度の3月31日までの子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子や、その子の親が受け取れる年金です。 相談者の場合、条件に当てはまる子がいれば遺族基礎年金をもらうことができます。

遺族基礎年金の年金額

令和5年度で79万5000円+子の加算額(1人目および2人目の子の加算額は各22万8700円、3人目以降の子の加算額は各7万6200円)となります。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金に加入している間・厚生年金を受け取っている人・厚生年金の受給資格を満たした人が亡くなった時点で、その人に生計を維持されていた遺族が受け取ることができます。 相談者の夫は厚生年金の加入期間がありますので、夫が亡くなった時点で相談者が夫に生計を維持されていた場合には、相談者は遺族厚生年金を受け取れます。

遺族厚生年金の年金額

遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。 相談者が65歳以降、遺族厚生年金と、相談者自身の老齢厚生年金を受け取れる権利がある場合は、相談者自身の老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金との差額分が支給されます。 詳細の金額については、年金事務所に問い合わせてみましょう。 監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー) 都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。 (文:All About 編集部)

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