巨匠・堂本印象の青春時代に光を当てた展覧会 京都で開催、従来のイメージ破る作品も

堂本印象の青年期を紹介した展示。竹久夢二風のロマンティックな作品も並ぶ(京都市北区・京都府立堂本印象美術館)

 近代京都画壇の巨匠・堂本印象の青春時代に光を当てた展覧会「若き日のロマン、大正時代の印象さん」(府立堂本印象美術館と京都新聞主催)が、京都市北区の同館で開かれている。苦学しながら画家を目指し、都会の風俗や、色っぽい油絵なども描いた意外な一面を紹介する。

 堂本印象(1891~1975年)は京都市立美術工芸学校在学中に父を亡くし、大勢の家族を養わねばならなかった。画家修業を中断し、図案家として働くが、当世風の女性をスケッチして画集を出版するなど、多彩な創作活動を展開した。

 展示では、竹久夢二風の美女と謎めいた男が並ぶ「丘上の女達」、粋筋の女性を情感込めて描いた「松島の女」、卓抜したデザイン力の「唐華文金唐革(きんからかわ)錦」など、従来のイメージとは違う作品が並ぶ。三輪晃久館長は「デビュー前にこれだけ幅広く創作した画家は珍しいのでは。何が出てくるか分からない印象さんを楽しんで」と話している。

 2月25日まで。65歳以上の人は無料(要証明)。同時開催の京都工芸美術作家展では、漆芸の伊藤裕司さん、陶芸の今井政之さんらの作品を展示している。

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