ワールド女子プロレス・ディアナは1月28日にカルッツかわさき大会を開催した。
11月26日アミスタに参戦したウナギは、4月のタイトル奪取以来1度しか防衛していない梅咲を猛批判し挑戦表明。「そのベルト、だいぶ寂しい思いしてるんじゃないかな。私が巻いたらアメリカにもスペインにも、きっともっと色んな国、そして色んな団体に連れていってあげられる」。
昨年は初代KITSUNE世界王座に輝くなど海外でも話題を振り撒き、まさに「ワールド女子プロレス」を体現するウナギ。アイアンマンヘビーメタル、JTOガールズと合わせて三冠女王となったウナギが「ディアナに新しいものをぶちこんでやる」と四冠への野望を燃やしリングイン。
対する梅咲も昨年アメリカ遠征を経験し、大きく成長して帰国。タイトル防衛はウナギの言う通り1回にとどまったが、王者にふさわしい闘いぶりで団体を牽引。2月には宮崎有妃の持つReginaへの挑戦が決定しており、この日勝てばアイアンマン奪取で二冠、2.4WAVE後楽園でも勝てば一気に三冠だ。「本気の本当の本物のプロレスをアンタにぶち込む」と、井上京子の信条である本気・本当・本物のプロレスを背負い、ビッグマッチのメインイベントに堂々登場。ウナギが新たなディアナを築くか?梅咲がディアナのプロレスを魅せるか?待望の初シングル。
遥コールとウナギコールが入り交じり観客が加熱する中、静かに視線をぶつけ合う2人。握手を求める梅咲に、ウナギは一向に応じない。握手どころか梅咲の頬を張るウナギ。
この態度に火が着いた梅咲は得意のエルボーでウナギの胸板を叩き、いきなりのジャーマン。リングから転げ落ちたウナギを追い、梅咲も場外へ。2人は観客席で大乱闘。
柵に打ち付けられダメージを負った梅咲をリングに戻し、ウナギがフォール。ブリッジで返す梅咲。しかしウナギの猛攻は止まらず。梅咲もドロップキックで反撃開始。ウナギの大ふへん固めを堪える梅咲。クラッチをほどきコーナーに上ったウナギを雪崩式アメジストクロスでぶん投げた梅咲だが、Wダウン状態に。
なんとか立ち上がった2人は情念ほとぼしるエルボーの打ち合い。互いの信念をぶつけるように鈍い音を鳴らす。梅咲のエルボースマッシュで吹っ飛ぶウナギ。すかさずフォールするがカウントは2。ウナギはスライディングTANAKA連発で逆襲。城門突破を切り返し丸め込む梅咲。それをさらに切り返すウナギ。梅咲のラ・マヒストラルを切り返すウナギ、キックアウトする梅咲。両者一歩も引かない攻防はいよいよ終盤戦へ。アメジストクロス、梅スプラッシュは肩を上げ、ウナギは今度こその城門突破。これをキックアウトした梅咲は素早くバックを取りジャーマン。それでも勝負は決まらず、ならばと梅咲はここ一番で出す必殺技・ブラストで豪快にぶん投げ、熱戦に終止符。
W.W.W.Dシングル王座を守り抜き、さらにアイアンマン王座も獲得。
二冠女王になったのもつかの間、その背後からウナギが忍び寄る…。梅咲がアイアンマンのベルトを受け取った瞬間、ウナギが急襲!レスラーの本能でキックアウトし二冠を維持した梅咲がマイクを取る。
「ウナギ、これが私のマジだから。やりたいことがたくさんあるって良いことだと思いますよ。でも私にはやらなきゃいけないことがたくさんある。それが私のやりたいこと」。フリーとして数々の団体を引っ掻き回し話題を呼ぶウナギとは対照的に、生え抜きの王者として団体を引っ張る使命を全うする構えだ。「負けたけど、何か話したいんじゃない?」と、発言力を武器にマット界で大暴れのウナギにマイクを渡す。
「今日は負けたので何も言うことはありません…とでも言うと思ってんのか?梅咲遥、お前22にしては老けてるよな…。でもそれはきっとお前がここを守るために死ぬ程苦しいことがあって、ヤベェ先輩いっぱいいるけど、エースでいなきゃいけないお前の強がりなんだなってよくわかったよ。お前スゲェな」と素直に梅咲を讃える。
続けて、「私にはやりたいことができた。興行にお客さんが入らないのは、団体のせいでも会社のせいでもない。このリングに立っているプロレスラーの責任であり、メインを任された私たちの仕事だ。確かにウナギ・サヤカ対梅咲遥…まぁ、ちっと(カードが)弱いかもしれない、今は。だから必ず、梅咲遥対ウナギ・サヤカがもっともっとデケェ箱でメインで、パンパンにすんのが今の私のやりてぇことだよ」と、観客動員に言及。
カルッツかわさき大会の観衆は523名。今月7日には初の自主興行で後楽園ホールを超満員にしたウナギ、そして川崎を拠点に活動するディアナのエース梅咲にとって悔しい数字となった。
「そして私がそのベルト巻いてやりたかったこと…それは、井上京子を超えること。それをお前と私、どっちが先にやるか競争だ」。
打倒・井上京子をぶち上げたウナギ。梅咲にとっても超えたい壁である京子。「どっちが先に京子さんを超えるか…約束ね」と、梅咲は再び握手を求める。今度はウナギも応じ、がっちり握手を交わし、2人は抱擁。
ファンにとって感動のシーンとなったが…ウナギがまたも急襲!不意を突かれた梅咲は、ウナギのスクールボーイを返せず3カウントを聞く。
ウナギは7分23秒ぶりにアイアンマン王者に返り咲き、四冠ならずとも三冠の座は死守。
取り戻したベルトを誇らしく掲げ「私、三冠チャンピオンなんで。また違うベルトでやってやってもいいよ」と言い残し、逃げるようにリングを下りていった。
梅咲は「えっ…二冠になったの数分ですか。まぁ、私の今日の目標はこのベルトを防衛することだったので。皆さんの声がたくさん聞こえました。応援ありがとうございました。2月の新木場で、もう挑戦者が決まってるんですよ。笹村さん、約束守りました。絶対に勝ちますから」と、早くも2.11新木場での防衛戦に照準。次の挑戦者は既に立候補していた笹村あやめ。笹村は梅咲とのタイトルマッチを熱望しており、梅咲防衛でカード決定!大激戦必至の好カードとなった。
「今はディアナイコール京子さんですけど、今年はディアナイコール梅咲遥になれるように頑張ります。ディアナのセンターは梅咲遥です!」の言葉で大会を締め括った。
カルッツかわさき大会
日時:1月28日(日)開始 13:30
会場:カルッツかわさき
観衆:523名
第六試合 メインイベント
W.W.W.Dシングル選手権試合 30分一本勝負
[王者] ○梅咲遥 vs ウナギ・サヤカ● [挑戦者]
※第17代王者2回目の防衛に成功。
※これにより2.11新木場大会のカードが梅咲遥vs笹村あやめに決定
※梅咲がウナギに勝利したことで第1603代アイアンマンヘビーメタル王者となり、その後梅咲のマイク中にウナギがフォールし3カウント。ウナギが第1604代アイアンマンヘビーメタル王者となる。
ディアナ新木場大会
日時:2月11日(日)11:30開場/12:00開始
会場:新木場1stリング
【決定カード】
W.W.W.Dシングル選手権試合 30分一本勝負
[王者]梅咲遥 vs 笹村あやめ [挑戦者]
※第17代王者3回目の防衛戦
【決定参戦選手】
ウナギ・サヤカ
中森華子
尾﨑妹加
本間多恵
真琴
沙恵
田中きずな
炎華
〈写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ〉
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