DMAT、能登地震に1000隊 派遣数、東日本大震災超え

2020年に新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で活動するDMATの隊員ら=横浜港(DMAT事務局提供)

 能登半島地震の被災地に全国から入った災害派遣医療チーム(DMAT)が延べ1001隊となり、東日本大震災の約380隊を大きく上回っていることが29日、石川県などへの取材で分かった。発足から20年近くとなるDMATは、災害直後の救急医療だけでなく、高齢者施設や避難所で健康支援を続けるなど活動の幅を広げている。

 地震発生翌日の2日から石川県庁に入ったDMAT事務局次長の近藤久禎医師(53)によると、今回の地震では被災した医療機関は多くなかったが、交通網が寸断された影響で、透析患者の搬送などに通常より時間がかかった。被災者の中には、病院まで移動できずに避難所に滞在せざるを得ない人もいたという。

 DMATは、1995年の阪神大震災で初動医療体制の遅れから「避けられた災害死」が約500人に上った可能性があるとされた教訓を踏まえ2005年に発足。新型コロナウイルス流行では、集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のほか、感染者が多く出た医療機関や高齢者施設にも出動した。DMATの活動要領には22年、正式に感染症対応が明記された。

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