大谷グラブ、親子で使って 羽咋の5小、体動かすきっかけに

大谷選手のグラブを使ってキャッチボールする親子=27日午後、羽咋市内

  ●地震に負けずキャッチボールを

 羽咋市の5小学校で、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手から届いたグラブを、週末に児童の家庭に貸し出す取り組みが始まった。親子でキャッチボールして絆を深めてもらう狙いで、市教委は地震でふさぎ込みがちな児童が体を動かすきっかけにもなると期待している。

 瑞穂小2年の西浦大貴君(7)は27日、吉崎町の自宅前で父親の雅人さん(40)とそれぞれ手に大谷グラブをはめてボールを投げ合った。

 野球好きで大谷選手の大ファンである大貴君は「もっと速い球」「次は遠くから」と気持ちよさそう。グラブは学校の休み時間にみんなで使っており「家でも使えてうれしい。また借りたい」と喜んだ。雅人さんは「大スターのグラブは保護者も関心がある。キャッチボールで子どもとの会話も弾んだ」と話した。

 市内の5校では3学期に入ってからグラブが披露され、各校で休み時間に児童がキャッチボールをしたり、的当てゲーム「ストラックアウト」に挑戦したりしている。ただ、学校が休みの週末や祝日は使われておらず、市教委は有効活用策を検討していた。

 地震後に保護者から「一人では外で遊ばせにくくなった」といった声が寄せられていることから、親子でのキャッチボールに使ってもらうことに決めた。

 グラブには「次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます」と大谷選手のメッセージが添えられている。市教委の担当者は「地震に負けず、将来の夢を持ってほしい。キャッチボールしながら、そんなことも語り合ってくれればいい」と期待した。

 グラブは保護者の希望を受け付けて貸し出すが、学校ごとに詳細なルールを設ける予定。

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