米国市場のいいとこ取り!2大人気の米国高配当ETF【SPYD】と【VYM】の魅力とは?

今年に入り日本株の強さが際立っています。1月23日、日経平均株価は一時36,984円を付け37,000円を目前にしました。また1月18日に発表された部門別売買状況によると海外投資家は現物株を2週連続で買い越しました。買い越し金額は9,557億円で現物と先物を合算すると1兆4,439億円です。これは昨年6月第1週(9,854億2,493万円)以来、約9カ月ぶりの規模となりました。これに対して個人投資家は1兆695億円の売り越しで約10年超ぶりの額でした。このような状況の中、1月23日の日経ダブルインバース(日々の騰落率を日経平均株価の騰落率のマイナス2倍として計算された指数)は一時169円の年初来安値を付けました。


トヨタが日本企業歴代最大を更新

一方で23日の東京株式市場でトヨタ自動車の株式時価総額が終値ベースで48兆7981億円に達し、NTTがバブル期の1987年5月11日に付けた48兆6720億円を上回りました。これにより日本企業の歴代最大を更新しました。随分前の記録を更新した訳ですが、1989年当時の世界の時価総額ランキングベスト10には日本の企業が7社も入っていました。世界第1位はNTTでした。2位~5位は日本の銀行がランクインし、米国は6位にIBM、8位にエクソンが入り僅か2社でした。ここから約35年経ちますが、その間米国市場は大きく成長し現在、世界の時価総額の44.8%を占めています。一方、日本株の時価総額は5.6%しかありません(2023年11月末)。

日本株の過去の栄光を思うと少し歯がゆい気分になりますが、日本とは逆方向に大きく変貌を遂げた米国市場には魅力的な部分が沢山あります。その中で人気を誇るのが高配当のETFです。高配当ETFとは配当利回りが高い銘柄で構成されている米国上場投資信託のことです。

高配当の約80銘柄で構成される【SPYD】

特に人気なのはSPYD (SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)で、米国のState Street社が運営する米国高配当ETFです。

S&P500採用の企業で高配当の約80銘柄に投資ができます。 S&P500の銘柄に選ばれるにはとても厳しいルールがあリます。時価総額82億ドル以上で浮動株比率は50%以上、四半期連続で黒字利益などです。これらを満たしている優良企業の中において配当利回りが高い企業ですからSPYDに人気が集まるのも必然と言えるでしょう。ポートフォリオを見ると、セクターの構成は金融約24%、不動産が約21%、続いて公共事業約14%などです。組み入れ上位銘柄は、シーゲート・テクノロジー、NRGエナジー、アムジェン、IBMなどです。銘柄の見直しは年に2回行われています。過去5年間で4~5%の配当利回りを維持しています。1株5,000円くらいから投資が出来ます。

分散投資に向いている【VYM】

VYM (バンガード 米国高配当株式ETF)も人気があります。銘柄数は約400と数が多いのが特徴で、幅広く分散投資をしたい方に好まれている傾向です。セクターの構成は、金融が約22%、生活必需品・資本財がそれぞれ約12%などです。過去5年間は3%の配当利回りを維持しています。組み入れ上位銘柄はJPモルガン・チェース、ブロードコム、エクソンモービル、J&Jなどです。1株15,000円くらいから投資ができます。SPYDとVYMはどちらも年間4回(3月、6月、9月、12月)の配当金があります。

世界一を誇る米国市場の中で高配当に的を絞りよりすぐったETFですが、不況時には大きな下落は避けられません。SPYDはコロナショック時の価格暴落率は-46.4%、VYMは-35.2%となりました。どちらも通常の株式投資と特に変わりはありませんので、当然元本割れのリスクは存在します。

今回は米国市場という大きなマーケット内のより魅力的な部分を占めるETFを見てきました。約30数年前は米国株より日本株の方が勝っていたと言ってもなかなか覆すことは難しい現実があります。ですが、先述した通りトヨタ自動車の株式時価総額が日本企業の歴代最大を更新できた事は大きな前進で、これに続く企業が続々と現れてほしいと強く願っています。

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