劇場版はファンを笑顔にするために作った作品だった――「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開記念舞台挨拶レポート

■シン・アスカ役の鈴村健一さんから届いた熱いメッセージ

映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の公開を記念して行われた今回の舞台挨拶には、保志総一朗さん(キラ・ヤマト役)、田中理恵さん(ラクス・クライン役)、石田彰さん(アスラン・ザラ役)、上坂すみれさん(イングリット・トラドール役)、森崎ウィンさん(グリフィン・アルバレスト役)、西川貴教さん(主題歌アーティスト)、福田己津央氏(監督・脚本)が登壇。

公開後、「SEED」ファンを中心に非常に大きな反響を呼び起こしている本作だが、まず公開から2日間で観客動員数50万、興行収入は7億7000万円に到達したという好成績が明かされ、客席から大きな拍手が沸き起こる。

それを受けた監督の福田氏は「まだ実感はないですが、好調なスタートを切れました。18年間、応援してくださった皆さんのお力添えのおかげだと思っております。本当に18年お待たせして、申し訳ありませんでした」と謝罪しつつ「18年付き合ってきた、アスラン、シン、キラといったキャラクターたちの未来がどうなっていくのか、本当にいろいろ考えさせていただいた。劇場版では、劇場に観に来られる皆さんが喜んでほしいということを第一に考えて制作しています」と、ファンのために作った作品であることを明かす。

さらに福田氏は「これを言うと怒られるかもしれませんけど」と前置きした上で、「売上とかは別にいいんです。大事なのはファンの人達の笑顔だと思っています」と語ると、再び大きな拍手が沸き起こっていた。

また会場では、今回舞台挨拶に来られなかった鈴村健一さん(シン・アスカ役)からのメッセージが読み上げられた。

「シン・アスカというキャラクターは、戦争によって多くを失い、心に傷を負った少年です。周りに当たり散らす、激情を持った少年。時にわがままに見えたり、人の話を聞かないその姿にイラつきを覚えた人もいたかもしれません。しかし、今思えば等身大の少年の当たり前の心の動きだったように思います。彼の本来の人間性、素直さや明るさを僕が表現できていれば、シンをもっともっと魅力的な少年にしてあげられたかもしれません」と「SEED DESTINY」を振り返る。

さらには「今回の劇場版では、監督たちの導きにより、あの戦いとは別の場所できっと見せてくれていた、素直なシン・アスカと出会えたと思っています。こんなに素直で可愛い子だったんだと、改めて僕も惚れ直しました。そんなシン・アスカの姿を皆様の目で確かめていただきたいです」と、劇場版では新しいシンの姿が見られることをアピールするメッセージを送っていた。

■「水遁の術」と「変身ヒーロー」が劇場版のアスランのキーワード?

ついに劇場版が公開を迎え、現在の心境を尋ねられたキラ役の保志さんは、ファンからどのように受け止められるかが不安だったという胸中を明かすも、ネタバレを恐れるあまり掴みどころのないコメントを連発してしまい、「ちょっとネタバレしてもいいから、中身のあるコメントを」と福田氏をはじめとする出演者からツッコミを受けることに。

最終的には「好評を得られているという実感はあって、感極まっています。ファンの方からだけではなく、身近な人達からも満足いったという感想をいただいていて、周りの反響もすごくいいです」と明かした。

そんな劇場版の見どころについて、ラクス役の田中さんは「いろんな意味での愛を感じました。守るべきものが何かとか、絆とか……すごく言うのが難しいんですけど、“愛と必要性”でしょうか」と、本作を読み解くための2つのキーワードを口にする。

一方、アスラン役の石田さんは、ハッピーなテーマだけではなく、戦争を描くからこその異なる立場のぶつかり合い、それを収めるための決断の辛さが描かれていることを魅力として語りつつ、「これは言っちゃうんですが、イザークとディアッカも登場します。彼らがどういう思いでその任務についているのかは、見どころになるんじゃないかなと思います」と、かつての盟友たちの活躍も見どころとして挙げる。

その後福田監督からいきなり「君は何の機体に乗るの?」と話題を振られた際には「ネタバレをさせようとしていますか?」と戸惑いつつも、「水遁の術を使うかも」「変身ヒーローみたいなところもあるかも」と、未だ公式では明かされていないアスランの搭乗機についての意味深なキーワードも明かしていた。

劇場版の主題歌「FREEDOM」を担当する西川さんは、「歌ももちろんなんですが、劇伴の素晴らしさも同時に味わっていただきたいです。映像を観ているにも関わらず、組曲を一斉に浴びているような素晴らしさが劇場版にはあります。一つの生き物として目、耳、肌感、振動を届けられれば」と、音楽面、中でも劇伴の魅力をアピール。

一方、グリフィン役の森崎さんは「効果音だったりメカの音は、収録の時には入っていないので、完成した映像を観て、このメカこの音で動くんだ、みたいなのが結構ツボだったりします。全体を通して音の良さを感じていただければ」と、それぞれの視点から本作の「音」へのこだわりに言及する。

イングリット役の上坂さんは、リアルタイム世代ではあるものの、放送当時は観ておらず、声優になってから一気に「SEED」シリーズを視聴したそうで、「なんて過酷な話なんだろうって。でも見る人によっても感想や心に残るシーンが違っていて、自然と語りたくなるんですよね」とその魅力を解説。

さらに「福田監督とは、超新人だった頃に『クロスアンジュ(※クロスアンジュ 天使と竜の輪舞)』でお世話になって、その時とは全然違うキャラクターになっているんですけど、存在自体がネタバレみたいな感じなので、とにかく本編を観ていただきたいです」とコメントする。

また上坂さんは、「映画の後に飲み会を入れている人は注意してください。私は試写会の後に新年会を入れていたんですけど、観終わった後に魂が飛んでいってしまって、何を飲んでも酔っ払わなくなってたんです。まずは覚悟を決めて観ていただいて、その後はお家に帰りましょう」と独特の言い回しでアドバイスも送り、客席の笑いを誘っていた。

最後は保志さんが出演陣を代表し「18年間待ちに待った『SEED FREEDOM』を観ていただけるということで、全制作スタッフの方々の『ガンダムSEED』愛、そして待ってくれていた皆様の『ガンダムSEED』愛をめちゃくちゃ感じております。18年分の『ガンダムSEED』愛が詰まった作品になっていると思いますので、是非堪能してください。そしてこの先、何度でも楽しんでいただいて、ガンダムの世界にこれからも想いを馳せていただければ嬉しいです」と、これから映画を楽しむファンに向けてメッセージを贈った。

■映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公式サイト
https://www.gundam-seed.net/freedom/

■公式SNS
X(旧Twitter):https://twitter.com/SEED_HDRP
TikTok:https://www.tiktok.com/@seed_freedom_official
【期間限定OPEN!】※2024.3.31(日)23:59まで

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