大村・東彼の女子 V6達成 全4区間で区間賞 野口総監督の引退に花

大村・東彼の14区蔦野(大東大、右)が15区山根(桜が原中)にトップでたすきリレー。女子総合6連覇の立役者となった=諫早市

 前評判通りの強さを披露した。大村・東彼の女子が全4区間で区間賞を獲得してV6を達成。今月中旬の全国都道府県対抗駅伝県代表で、今回は女子スタートの14区を任された蔦野(大東大)は「最後に出場できてうれしかった。地元の公道を走る時間は気持ち良かった」と古里を走る駅伝の醍醐味(だいごみ)を満喫していた。
 諫早市のトランスコスモススタジアム長崎から、男子1区間を挟んで長崎市のゴールまでつなぐ15.4キロのコース。エース蔦野が2位に21秒差をつけて発進すると、3年の中止期間を挟んだため県下一周の存在を「父から聞いたことしかなかった」という中学1年の15区山根(桜が原中)が区間1位でつないだ。16区船木(長崎商高)も差を広げ、最後は18区藤丸(十八親和銀行)が一斉スタートした島原半島の永友(メモリード)に2秒差で競り勝った。
 今回は第49回大会からチームを率いてきた野口総監督(九州電通)が「今後、何らかの形で大村・東彼チームが存続するとしても、総監督は今大会で終わり」と決めて臨んだ大会。これを受けて、当初は所属チームの意向で欠場予定だった蔦野が駆けつけ、玖島中時代に野口総監督とマンツーマンで走っていた藤丸も「最後に野口さんのチームでもう一度走りたい」と合流した。
 総合V3はならなかったが、レース後、野口総監督はすがすがしい表情で大会を総括した。「育ててきた選手と今育ってきている選手でつなぐ大村・東彼らしいレースだった」

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