ネリー・コルダが劇的地元V 残り2ホールで3打差を追いつきPO制す

劇的な展開に涙を浮かべた(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 最終日(28日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6557yd(パー71)

西日を浴びて、ネリー・コルダが1mのウィニングパットを沈めた。18番でのプレーオフ2ホール目。殿堂入りと2週連続優勝がかかるリディア・コー(ニュージーランド)を退けた。大騒ぎする地元フロリダの大ギャラリーに見せつけるように、右手をぐっと握りしめた。

「もうダメかと思った私を、みんながすごくポジティブなエネルギーで支えてくれた。そんな人達の前で勝てて、本当にうれしい」。故郷フロリダでの“ご当地V”は通算9勝中、2021年「ゲインブリッジ選手権」と21、22年「ペリカン女子選手権」を含めて4度目だ。

熱狂する地元ファンを前に優勝を決めてガッツポーズ(撮影/田辺安啓(JJ))

残り2ホールで3打差を追いついた。4打リードの首位で迎えた最終日、強風の中、前半5番でボギーが先行し、バーディを奪えないまま終盤へ。14番でボギー、15番(パー3)で池ポチャのダブルボギー、16番もボギーと大失速してトップから陥落した。1組前で回るコーが17番(パー5)でイーグルを奪い、一気に3打ビハインドに…。

コルダは「終わったと思った」という。ところが、17番でカラーから8mをねじ込むイーグルを奪い、18番は2打目をピンそば20cmにつけるOKバーディでプレーオフに持ち込んだ。「私っていつも、とてもドラマチックでおもしろい作品を作っちゃうみたい」とおどけて、奇跡のシナリオを振り返った。

元世界ランキング1位の25歳が未勝利に終わった昨季を乗り越え、1年2カ月ぶりに見せた歓喜の笑みと涙。今後7週はオフ。祖父母が住むチェコにも家族で旅行し、さらなる飛躍への英気を養う。

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