都の新年度予算案 3年連続で過去最大

東京都が新年度の予算案を発表です。予算規模は一般会計で8兆4530億円となり、3年連続で過去最大を更新しました。子育て世帯や高齢者への支援策のほか、防災対策の強化を打ち出しています。

小池知事:「国の方策を待つことではなく、今東京がなすべきことはなになのか、スピード感を持って、また躊躇なく前に進めるということが必要。こうした思いを込めて、今回の予算に大胆な施策を積極的に盛り込んだ」

小池知事が発表した東京都の新年度予算案は一般会計で8兆4530億円で、過去最大だった今年度から約4100億円増加しました。

子育て世帯や高齢者への取り組みに加え、防災対策も強化する方針で、地下シェルターの設置に向けては約1億6500万円を計上しています。ミサイルなどで甚大な被害が発生する事態を想定し、設置場所は、港区にある都営地下鉄の「麻布十番駅」に併設された防災備蓄倉庫を予定しています。都の担当者によりますと、都が所有する施設で一定程度の地下の空間を確保できるのが、この備蓄倉庫だったということです。

地下シェルターの整備について街の人は…

「どれくらいの人が入れるのか誰が入れるのか、はっきり明確になっていた方が使いやすいなと思います」「ペットがいるのでペットも一緒に連れて行けたらいい」「私は戦争経験してるから。できたほうがいいんじゃないかと思う、もしできれば。(Q:1億6500万の検査費がかかる件については?)すごいわね、そんな費用かけて造ることじゃないかしらね」

また東京都は子育て支援策として、小学校の学童クラブを認証する制度の創設も目指します。預け先が見つけづらく「小1の壁」とも呼ばれる学童保育について、都が独自に認証制度を作ることで学童クラブの運営をより充実させていきます。

小池知事:「産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人一人が輝く明るい「未来の東京」を実現する予算に位置づけをしました」

東京都の新年度予算案は、来月から開かれる都議会で審議される予定です。

それでは、1月26日に発表された都の新年度予算案について都庁から中継です。来年度から新たに始める政策の一つが、多摩地域を中心に検出されている有機フッ素化合物・PFASの問題への対応です。PFASの一種、PFOSは特に有害性が指摘されていて、泡消火薬剤などにも使用されています。そうしたことから、東京都は都内の民間事業者などを対象として、PFOSを含まない消火薬剤への交換・撤去にかかる費用を補助します。予算は2億円が計上されています。

さらに、八王子市の精神科病院滝山病院で起きた看護士らによる患者への暴行事件をきっかけにした対策もあります。病院内での虐待を防止するため、虐待通報窓口を設置するとともに、勤務スタッフによる入院患者への虐待防止や、早期発見できる体制を病院側が構築するための研修を実施します。予算は4000万円が計上されています。

その他に、予算額自体は大小さまざまですが、ファンドを活用した女性活躍の推進に向けたスタートアップ支援や、働く女性への総合サポート事業「女性ITエンジニア育成事業」など、女性活躍を進めるための新しい政策が多く盛り込まれている印象です。

新年度の都政がどうすすんでいくのか。まずは来月から始まる都議会での審議に注目しましょう。

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