13歳のジュニア選手が主審に中指を立てて即失格処分も、後に誤審疑惑浮上で同情の声も<SMASH>

フランスで行なわれたテニスのジュニア大会で、13歳の選手が即失格処分になるという衝撃的な出来事が起きた。

この大会は毎年1月に開催されている『Les Petits As(レ・プティ・タズ)』というもので、14歳以下を対象とした世界で最も権威のあるジュニアトーナメントのひとつ。かつて、ラファエル・ナダル(スペイン)やロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)といった偉大なチャンピオンたちも出場した大会だ。

今年で42回目を迎える同大会で問題となったのは、男子シングルス3回戦のウィリアム・レパキス(スウェーデン)とラファエル・タオ・クアン(フランス)試合。

第1セットを6-4で先取したレパキスだが、第2セットは立ち上がりから2ブレークダウンで0-3と厳しい状況に。それでも相手のサービスゲームをデュースまで持ち込み、挽回の糸口をつかもうとラリー戦を繰り広げる。

事件はその際に起きた。

タオ・クアンの放ったショットがサイドラインを割ったと判断したレパキスが左手を挙げてアウトを主張。だが、主審の判定はイン。緊迫した場面での思わぬ出来事に明らかに動揺した様子のレパキスは、ラケットを投げ捨て主審に向かって必死に抗議。だが同大会には線審はおらず、またチャレンジシステム(ビデオ判定)などの設備もないため主審の判定が覆ることはなかった。
これにより感情のコントロールを失ったレパキスは、そのまま主審に詰め寄って両手で中指を立てながら悪態をついた。すると主審からスポーツマンらしくない行為を理由に即座に失格処分が言い渡されたのである。

だが、事件はこれで終わらなかった。失格となったレパキスを擁護する声が一部から上がっているのだ。というのもX(旧Twitter)上ではその際の動画が投稿されているが、この映像を見る限りではやはりボールは大きくサイドアウトしているように見えるからだ。

動画を見たXユーザーからは「彼には決して忘れることのできない教訓になった。ボールはアウトだったけどね」、「今まで見た中で最悪の判定だ」、「線審が必要だ」と同情の声が多く見られた。

将来のスター選手を夢見てスウェーデンから参戦したレパキス。取り乱して主審に悪態をつくのはよろしくないが、とはいえ動画を見た多くの人々が判定に疑問符を付けていることは無視できない。今回のことがレパキス少年の今後のテニス人生に悪い影響を与えないことを祈るばかりだ。

構成●スマッシュ編集部

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