能登地震、中小企業被害数千億円 伝統工芸に打撃、国が再建支援

地震でひび割れた道路や倒壊した建物=29日午後、石川県珠洲市大谷町

 能登半島地震による中小企業や小規模事業者への被害が新潟、富山、石川、福井の4県の合計で数千億円規模に上る可能性があることが29日分かった。揺れや液状化による建物や設備の損壊が多数確認されており、伝統工芸や観光が盛んな地域経済に甚大な打撃が及んでいる。政府は補助金や金融支援を通じて、地場産業の再建や雇用維持を後押しする方針だ。

 4県の自治体関係者などへの取材で判明した。石川県では観光名所「輪島朝市」の火災で輪島漆器の工房などに壊滅的な被害が生じた。商工会議所幹部からは「輪島市だけで3千億円くらいの被害がある」との声が上がる。

 半島北部の奥能登エリアでも建物被害が相次いだ。

地震による大規模火災で全域が焼失した「輪島朝市」=14日、石川県輪島市

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