「まだまだタイム出る」マラソン日本新の前田穂南 2度目の五輪代表へ「何も考えずに待つ」

日本新記録樹立から一夜明け、笑顔で競技への思いを語る前田穂南=大阪市内

 大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒の日本新記録を樹立した前田穂南(天満屋、尼崎市立園田東中出身)が快挙から一夜明けた29日、大阪市内で会見し「まだまだタイムは出ると思う。また挑戦したい」とさらなる記録更新に意欲を示した。

 2005年に野口みずきがマークした従来の日本記録を13秒塗り替え、パリ五輪代表入りへ大きく前進。代表3枠のうち2枠は既に決定しており、3月の名古屋ウィメンズで前田の記録を上回る選手がいなければ、残る1枠に内定する。

 33位に終わった東京五輪以降、厚底シューズへの順応や度重なるけがに苦しんできた前田。「最初は靴を脱いで走りたいぐらいだった」という厚底にこの1年で慣れ、継続して練習を積めたことを好走の要因に挙げた。「自分の力を出し切って最後まで粘って走れた。今まで(のレース)よりもすごく達成感がある」と笑顔で振り返った。

 「今回、きつい中でもしっかり走れたことが楽しさにつながった。走ることの楽しさをいろんな人に知ってほしい」と、女子マラソン界のけん引者としての自覚がのぞく27歳。2度目の五輪代表へ「(内定を)待つだけなので、何も考えずに待っておく」と話した。(長江優咲)

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