午後3時のドルは小幅安148円付近、米金利低下や持ち高調整で

Mariko Sakaguchi

[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドルは、前週末のニューヨーク市場終盤(148.16/19円)から小幅安の148円付近で推移している。時間外取引の米長期金利の低下や今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた持ち高調整の動きから、ドル売りが優勢だった。

ドルは仲値にかけては、月末のスポット応当日に伴い国内輸入企業の買いが入り、じりじりと上昇した。その後は今週の米FOMCや主要な米経済指標発表を控えて様子見姿勢が徐々に広がる中、時間外取引の米長期金利が4.12%付近まで低下し、ドルの売り圧力が強まった。

ドルは年初から右肩上がりで上昇したものの、148円後半では2回跳ね返されるなど、足元では上値の重さが意識されている。米FOMCでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長からタカ派的なコメントがでれば、ドルは「150円を目指す可能性はある」とトレイダーズ証券の市場部長、井口喜雄氏はみる。

ただ井口氏は、テクニカル的には「1月の値動きが早すぎたこともあり、米FOMCの結果次第でスピード調整が入りやすい」といい、「その場合は145円付近まで下落してもおかしくない。その後ドルは押し目買いに支えられ、再び上昇していくだろう」との見方を示した。

日銀のマイナス金利解除観測を背景とした円買いの動きも一服している。市場では「春闘の結果を見極めるまでは円買い材料は乏しい。ただ、今後発表される米経済指標で弱い内容が出てくれば、米利下げ観測が強まり、ドルは下押される」(楽天証券のFXディーリング部、荒地潤氏)との声も聞かれた。

米商品先物取引委員会(CFTC)が26日発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(23日時点)に基づくロイターの集計によると、円の売り持ち(円ショート)は7万0645枚と前週の5万6560枚から増加した。

米長期金利が4.1%台を超えて推移していることや米早期利下げ観測の後退を背景に対円でドルの買い戻しが進んだ。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 148.03/148.04 1.0838/1.0842 160.46/160.47

午前9時現在 148.18/148.19 1.0840/1.0844 160.66/160.68

NY午後5時 148.14/148.19 1.0852/1.0856 160.78/160.82

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