安倍派議員を追加告発へ 大学教授、自民裏金事件

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、神戸学院大の上脇博之教授は29日、日本記者クラブのオンライン記者会見に臨み、派閥からの還流分について政治資金収支報告書を訂正した安倍派(清和政策研究会)の議員を、政治資金規正法違反容疑で追加告発する意向だと明らかにした。

 上脇氏は、自民党の5派閥が開いた政治資金パーティーの収入が過少に記載されているなどとして、断続的に告発状を提出。東京地検特捜部が裏金問題を捜査するきっかけになったとされている。

 関係者によると、安倍派では所属議員約100人の大半が還流を受けていた。岸田文雄首相は29日の衆院予算委員会で、これまでに30人以上が収支報告書の訂正を明らかにしたと説明した。

 上脇教授は会見で「裏金がつくられたことは国民に対する背信的な行為だ」と批判し、抜本的な政治改革が必要だと強調した。

 特捜部は計10人を立件。森喜朗元首相や、安倍派の実力者「5人組」を含む幹部7人は嫌疑なしで不起訴処分とした。上脇氏は幹部議員らについて検察審査会に審査を申し立てる方針。

© 一般社団法人共同通信社