能登半島地震の影響「だいたい1カ月後に最大余震が発生」 過去の事例を基に専門家指摘、福井県内の震度は

能登半島地震の今後の県内への影響などについて講演する岡本拓夫教授=1月28日、福井市の福井県教育センター

 地震学が専門の岡本拓夫・福井高専嘱託教授による講演会が1月28日、福井市の福井県教育センターで開かれた。能登半島地震の今後の福井県内への影響について「規模が最も大きい余震は断層の端で起こる。県内に近い(西側の)場所であれば、あわら市で震度5強くらいの揺れになる可能性がある」と注意を呼びかけた。

 1日の能登半島地震は、能登半島に沿って東西に伸びる複数の断層がずれ動いて発生したとみられ、政府の地震調査委員会は断層の範囲が約150キロに及ぶとしている。

 岡本教授は今回の地震について、2020年ごろからの群発地震との関連性を指摘。地下深くから流体が上がって断層を刺激したことが原因と推測されると説明した。今後の余震については、日本海中部地震(1983年)や新潟地震(64年)の例を挙げながら「だいたい1カ月後に最大余震が発生し、断層の端のどちらかで起こることが多い」とした。

 また、鯖江市や敦賀市には、断層があるものの近年地震が起きていない地震活動の「空白域」があるとし「近くで大きな地震が起こると、これまで動いていなかった断層が動くこともある」と語った。

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 講演会は、福井大OBらでつくる日本科学者会議福井支部が主催。オンラインを含め約70人が聴講した。

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