青葉被告、京アニ事件犠牲者の夫に何度も頭下げる 面会20分間「精神鑑定に不満」心境も

青葉被告と面会後、大阪拘置所を後にする寺脇(池田)晶子さんの夫=29日午前9時58分、大阪市都島区・大阪拘置所前

 京都アニメーション放火殺人事件で死刑判決を受けた青葉真司被告(45)=弁護側が控訴=が29日、大阪拘置所(大阪市)で、犠牲になった寺脇(池田)晶子(しょうこ)さん=当時(44)=の夫(51)との面会に応じた。夫によると、被告は何度も頭を下げて会話に応じ、精神鑑定の結果に納得していない心境を語った、という。

 夫はアクリル板越しに車いす姿の青葉被告と約20分間、言葉を交わした。「妻を殺され、私も子どもも寂しい」と述べると、被告は無言で深く頭を下げた。本心を教えてほしい、との問いに対しては「裁判中は遺族の気持ちを逆なでしたり、傷つけたりしないよう区別していた」と話したという。

 夫の説明では、被告は「弁護団と意見が合わず、話したい内容と異なっていた」と主張した。また、「医師に言ったことが全て妄想とされたが、真実もある」と精神鑑定の結果に不満を漏らし、途中から10分以上、アニメに関する持論を展開したという。

 面会後、夫は「裁判の発言が遺族に気を使ったものだとしたら幼稚だ。でも、それが本当なのかもしれない」と割り切れない表情で語った。

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