【東京新聞杯/危険な人気馬】前走GI馬券内も“消し”の鬼門 「好走→惨敗のぶっ飛びパターン」

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今週はマイル戦線の行方を占う重要な一戦、第74回東京新聞杯(GIII、芝1600m)が東京競馬場で行われる。

今年は、秋華賞でリバティアイランドに2着と迫ったマスクトディーヴァを筆頭に、NHKマイルC2着のウンブライル、昨年の覇者ウインカーネリアン、重賞初制覇を狙うマテンロウスカイなど好メンバーが集結。過去10年の3連単平均配当が11万1426円と波乱含みのレースだけに、伏兵の台頭にも注意を払いたいところだ。

そんな中、マイルCS3着のジャスティンカフェが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■1人気2騎が惨敗の歴史

昨年のエプソムCで待望の重賞初制覇を果たしたジャスティンカフェ。秋初戦の毎日王冠こそ7着に敗れたが、続くマイルCSでは、勝ち馬から0秒1差の3着に好走。一昨年の6着から着順を上げており、今年6歳を迎える本馬だが、さらなる飛躍が期待される。

GI3着の実績から、ここでは、マスクトディーヴァと人気を分け合いそうな様相。しかし、前段で記したように、東京新聞杯は波乱含みのレースで、過去10年の1、2番人気は【1.2.4.13】でわずか1勝と、人気サイドの信頼度はいまひとつ。特に6歳以上に絞ると、2022年にレース連覇を狙ったカラテの3着が最高着順で、それ以外の3頭はすべて着外に敗れている。

6歳馬は過去10年で4勝と、世代別では4歳馬と並んでトップタイの勝利数だが、いずれも3番人気以下の中位人気に支持された馬が制しており、過度な期待を集めるタイプは、疑ってかかったほうが良さそうだ。

また、前走マイルCS組は、過去10年で【2.0.1.11】と、比較的相性の良いレース。しかし、そのマイルCSでの着順は、全馬が掲示板外に沈んでいた馬で、GIでは通用しなかったが、GIIIでは巻き返すことができたパターンに当てはまる。

一方、マイルCSで3着以内→東京新聞杯参戦の例は、過去20年まで遡ると、2011年ダノンヨーヨー(マイルCS2着→東京新聞杯1人気7着)、13年ドナウブルー(マイルCS3着→東京新聞杯1人気10着)の2例。いずれも、GI好走の実績を買われて、東京新聞杯では人気を集めたものの着外に敗れており、ジャスティンカフェも同じような軌跡を辿りそうな予感が漂う。

昨年の東京新聞杯では、1番人気で4着に敗れたジャスティンカフェ。今年はその雪辱を期す一戦となるが、過去の傾向から考えると、再び人気を背負って敗戦、というシーンが目に浮かぶ。中位人気なら狙ってもいい存在だが、ここでは高い人気に支持される可能性が濃厚で、妙味を考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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