愛媛県今治市でピアノ教師の女性が殺害された事件。警察は、女性の次女に暴行を加えた疑いで逮捕した男を、重要参考人として調べています。事件発覚からこれまでの経緯をまとめました。
26日午後6時10分ごろ、愛媛県今治市松本町の住宅から「女性が首を切られている」と、110番通報がありました。
警察が駆け付けたところ、この家に住むピアノ教師の冨田小雪さん(64)が首を切られ血を流して倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
また、室内からは冨田さんのピアノ教室に通う男子中学生も縛られた状態で発見。病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。
冨田さんは、次女(35)とその子ども2人の4人暮らしでしたが、事件後、次女の行方が分からなくなっていました。
冨田さん殺害の発覚直後、付近の防犯カメラに、冨田さんの次女と見られる女性と男が一緒に映っていたことが判明。警察は、男が事件に関与しているとみて捜査していました。
そして27日午後8時15分ごろ、警察は、今治市に隣接する西条市内で、次女を発見し無事確保。この時、次女は「直前まで男と一緒にいた」旨を話していました。
次女の発見から約3時間後、警察は、同じ西条市内で、自称会社員の榊原正道容疑者(34)を逮捕。容疑は、26日午後5時20分ごろ、冨田さんの住宅近くの路上で、冨田さんの次女(35)の体を抱え込み、腕を引っ張るなどの暴行を加えた疑いで、容疑を認めているということです。
次女は、榊原容疑者と交際していた去年11月「髪を引っ張られるなどの暴行を受けた。別れ話を繰り返しているが応じてくれず困っている」などと警察に相談していました。当時、次女は処罰は求めず「警察に把握しておいてほしい」という意向を示したことから、警察は、危険を感じるなどした場合は躊躇なく110番するよう伝えたということです。
近所の人も次女の異変に気付いていました。
住民 「暗い感じはした。ちょっと会っても顔を下向けるような感じ。前は率先して挨拶してくれたけど最近はなかった」
29日午後、今治警察署から検察庁へと身柄を移された榊原容疑者。
警察は、殺害発覚と暴行の発生時間も近いことから、榊原容疑者が冨田さんの殺害にも関与しているとみて、捜査しています。