カープ・上本崇司選手 厳しいプロの世界で見つけた「生きる道」を貫く プロ12年目の覚悟に迫る

1月23日、カープの上本崇司は故郷の福山市にいました。1月8日にスタートした福山での自主トレは、この日で最終日を迎えました。

ここ数年、重点的に取り組むのが「ケガをしない体づくり」です。2023年、走塁中に太ももを痛め、シーズン終盤に長期離脱しました。ケガを防ぐため、体を支える大きな筋肉に加え、骨まわりにあるインナーマッスルの強化にも力を入れています。

■トレーナー 鈴川卓也さん

ケガをするときは、少しバランスを崩したりするときが多いので、ランジで歩くときも、(わざとバランスを)崩してるんですね。重いものを上に持つことで。(いざというときの)調整力、修正する力を整えるとか、そういう感じですかね。

出場機会を増やすために強化してきたバッティング。プロ11年目の昨シーズンは、初の4番に座るなど、9番以外の全ての打順で先発出場しました。代打では、チームトップの打率をマーク。今なお、進化を追い求めています。

■カープ 上本崇司選手

数字自体はレベルがちょっと低すぎるので。かといって、もうちょっとできたかなとも思わないし。これが僕の実力なので。

上本は野球界のエリート街道を歩んできました。広陵高校では、春夏通算3度の甲子園に出場。2012年、明治大学からドラフト3位でカープに入団しました。しかし・・・

■カープ 上本崇司選手

やっぱり最初はレギュラー取って、タイトル獲って、と思ってましたけど…。ほかの選手が衝撃的すぎて、すぐクビになると思ってました。僕、無理だと思ってました、この世界でやるの。いつ終わってもいいっす、本当に。「あしたから戦力外です」って言われても、「はい、わかりました」って、普通に言えるんで。

厳しいプロの世界で見つけた「生きる道」。それが、複数のポジションをこなす「ユーティリティープレーヤー」でした。昨シーズン、バッテリーと一塁を除く、全てのポジションで先発起用された上本。しかしそこには、経験した者でしか分からない難しさがあると言います。

■カープ 上本崇司選手

いろんなポジションを守ることって、本当に別世界なんで。角度も距離も打球も全部違うので、景色が。それと、やっぱり練習も人より多くしないといけないんで。

新井カープに欠かせない戦力となった上本。幼い頃から背中を追いかけてきた人がいます。4歳年上の兄・博紀さん。自身と同じ広陵高校出身で、阪神の内野手として活躍しました。

■カープ 上本崇司選手

意外に僕の試合、結構毎回見てるみたいで。「なんであの球打つん?」みたいな。「バッティングひどいな」みたいな。絶対ほめてくれないっす、僕のことは。「お前はしょぼい」と言われて育ってきたんで。「俺にはかなわん」て。

Q兄を超えたいとは思わない?

■カープ 上本崇司選手

兄貴超えても、別にたいしたことないです。…と、言っておきます。

2024年、兄が現役を引退した12年目のシーズンを迎える上本。33歳のベテランはプロで築いた「生きる道」を貫く覚悟です。

■カープ 上本崇司選手

「行け」と言われたら、きっちり仕事ができるようには準備はしておきます。個人の成績はどうでもいいので。とにかくみんなが思っている優勝。本当それだけだと思います。

Q自分の生きる道を見せてくれますか?

■カープ 上本崇司選手

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【進め!スポーツ元気丸 2024年1月28日放送】

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