自民裏金事件審議へ「特別委」 設置構想が再浮上 「予算委で予算以外の審議はおかしい」と有権者から批判も

国会(資料写真)

 自民党安倍派(清和政策研究会)に端を発した派閥裏金事件の検証や再発防止策を巡る衆参予算委員会の集中審議が29日開かれ、党総裁でもある岸田文雄首相が野党から厳しい追及を受けた。「政治とカネ」の問題解決には「さらに時間が必要」(政府関係者)との雰囲気が広がる中、小泉進次郎元環境相(衆院11区)らが主宰する議員勉強会が6年前に提唱した審査機関「特別調査会」の設置構想が再び浮上している。

 この日の審議で立憲民主党などは政治資金の透明化などの改革を迫った。能登半島地震への対応の集中審議は24日に先行実施。そうした経緯を知らない有権者からは野党議員やその事務所へ「地震対策をなぜ質問しないのか」「予算委員会で予算以外の審議を行うのはおかしい」などの疑問や批判が寄せられたという。原則どんな課題でも審議できるのが「予算委」だが、名称に沿わない内容だと違和感や反発を抱く国民が少なくないのが実情だ。

 野党内からは与党に対し「裏金問題解明を目標に据えた委員会を設け、公開での審議を担保できれば他の案件を巻き込まずに済む」(立民議員)との秋波も送られる。予算案の年度内成立を目指す与党も審議の仕分けを検討中。政治倫理審査会の活用を視野に入れるが、同審査会には「原則非公開」という取り決めがある。「特別調査会」が浮上してくるゆえんだ。

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