孤独死放置は「協力体制の不備」 東京・江戸川区第三者委が報告書

 東京都江戸川区の福祉事務所のケースワーカーだった男性主事が、孤独死した生活保護受給者の死亡後の事務処理を怠り遺体を放置した問題で、区が設けた第三者検証委員会は29日、検証結果の報告書を取りまとめた。組織の問題に関し「対応が困難な事例が発生した際に、課を越えた協力体制が整っていなかった」などと指摘した。

 報告書は、主事が在籍した課について「休職者や高いストレスを抱える職員が多いのに、産業医に相談できる制度が周知されず、安心して働ける環境をつくれなかった」と分析。一部職員が受給者を呼び捨てにしたり「言うことを聞け」などと怒鳴るケースがあったとして、第三者委は区に改善を求めた。

© 一般社団法人共同通信社