「高城れにとしてお芝居に触れたい」ももクロから初の座長誕生

「ももいろクローバーZ」の高城れにが、自分の居場所を探して家出をする女性という役で、初めて単独主演する舞台『最高の家出』。高城と、作・演出の三浦直之のリモート取材がおこなわれ、それぞれが希望や目標を語った。

舞台『最高の家出』に出演するももいろクローバーZのメンバー・高城れに

■ メンバーの反応は? 驚きつつも「おめでとう!」

高校演劇をテーマにした映画『幕が上がる』に出演して以来、グループで演劇公演をおこなう機会も多いももクロ。しかしメンバーが外部のプロデュースに、座長として出演するのは初のこと。「みんなすごく驚いて『すごいね、おめでとう!』と言ってくれました」と仲間たちの反応を明かす高城だが、この機会は自分でも夢見ていたそうだ。

「私たちはグループで演劇を作っていたけど、本当にゼロの状態から外の世界に飛び込んで、周りと打ち解けて作品を作っていくという機会は、なかなかなかったんです。いつか『高城れに』としてそういうお芝居に触れたいと、ずっと思っていました」と打ち明け、初座長公演については「演劇の先輩方に囲まれていますが、元気は人一倍あるので(笑)、元気いっぱいな座長になれたら」と希望を語った。

■ 「なんでこんなに私のことを知ってるの?」(高城)

「大学のときに(ももクロの)『Chai Maxx』の振付を覚えようとしていました(笑)」と語る三浦が作る作品は、結婚生活に疑問を持って家を出た箒(高城)が、不思議な劇場で長期に渡って演劇を作る人々と交流しながら、自分を見つめ直していく物語。高城は自身が演じる箒について、「『三浦さんは、なんでこんなに私のことを知ってるの?』と思うぐらいリンクしている」と言う。

舞台『最高の家出』の大阪公演は3月に上演される

「内向的で、後先のことを考えないのは私と似ているけど、箒は家出のできる行動力と、自分から変わろうとする意志の強さがある。そこに寄り添いながら役を作りたいです」と抱負を語ると、三浦も「内気だけど、自分の芯もあるというバランスを、高城さんは両立させてくれるのでは。強さとやさしさと弱さと明るさを、一緒に持った箒にしてくれると思います」と自信を見せた。

本作について「遊園地のように楽しいけど、自分の居場所ってどこだろう? 本当の自分ってなんだろう? と考えるときに、ふと思い出してもらえる作品になると思います」と高城が語ると、三浦も「僕は劇場や映画館やライブのような、エンタテインメントの場に足を運ぶのは、非日常を味わうための短い家出だと思ってて。だから『ちょっと、家出しよう』という気持ちで観て、そして帰っていってほしいです」と観劇を呼びかけた。

高城以外には、祷キララ、東島京、板橋駿谷、尾上寛之などが出演。2月の東京、3月の高知公演を経て、大阪は3月9日に「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)で上演。チケットは一般9500円、22歳以下3800円で、現在発売中。ほかにも香川、宮城、福岡でも公演あり。

取材・文/吉永美和子

『最高の家出』

期間:2024年3月9日(土)
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
料金:9500円(U-22は3800円)

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