高城れにが語る「アイドルをやっているからこその快感」とは?

舞台『最高の家出』で、舞台単独初主演を果たす「ももいろクローバーZ」の高城れに。3月の大阪公演に向けておこなわれたリモート取材で、演劇公演がももクロの活動に与えた影響や、大阪公演を特別視している理由などについて語った。

舞台『最高の家出』に出演するももいろクローバーZのメンバー・高城れに

■「演劇からアイドルに繋がることは、たくさんある」

自分の生活に疑問を感じて家出をした女性が、7カ月もかけて1つの作品を上演している人々がいる不思議な劇場に潜り込み、そこでの生活を通じて自分を見つめ直すという舞台。日常で感じるちょっとした疑問や鬱屈を、ユーモアやファンタジーを交えて表現する世界だが、こういうマイナスな感情を表現できるのが、演劇活動の面白さだと高城は言う。

「演劇とアイドルって、やってることは違うように見えますけど『なにかを表現する』という部分では、すごく同じようなジャンル。なかでも悪い心や、投げ出したくなるような気持ちって、普段(アイドルでは)表現しないんですけど、演劇はそれができるので、逆にすごく思い切りやれる。それは多分、アイドルをやっているからこその快感じゃないかと思います」と自己分析。

舞台出演において、ももいろクローバーZのメンバーとしては今回が初の座長誕生となる

ももクロは2015年から、不定期で演劇作品も発表しているが、「演劇をやってからアイドルに戻ったとき『歌や表情の表現が良くなった』と、ダンスの先生に言われたことがあったんです。演劇からアイドル活動につながることは、本当にたくさんあるんだと、そのときに思いました」と、演劇がグループ活動に良い影響を与えていることも明かした。

■ 大阪での楽しみは「あのカレー」

大阪公演で楽しみにしていることを聞くと、真っ先に「インディアンカレー!」という答えが。さらに一日限りの公演日が、高城にとって実に大切な日であることも告白してくれた。

「私は幼少期に、ずっとひいおばあちゃんと過ごしていたんですけど、その思い出の曲がレミオロメンの『3月9日』。だから毎年3月9日にソロコンサートを開いて、この曲を歌ってました。そんな大事な日に関西で公演ができるのは運命だと思うし、天国のひいおばあちゃんに届くようにがんばりたいです」と明かすと、同席していた作・演出の三浦直之が「ちょっと大阪バージョンを考えなくちゃいけないですね(笑)」と回答したので、本番を楽しみにしたい。

高城以外には、祷キララ、東島京、板橋駿谷、尾上寛之などが出演。2月の東京、3月の高知公演を経て、大阪は3月9日に「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)で上演。チケットは一般9500円、22歳以下3800円で、現在発売中。ほかにも高知、香川、宮城、福岡でも公演あり。

取材・文/吉永美和子

『最高の家出』

期間:2024年3月9日(土)
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
料金:9500円(U-22は3800円)

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