【香港】NTTとMSIG、日系にサイバー対策講演[IT]

サイバー攻撃について解説するNTTコミュニケーションズの間形文彦・担当部長=26日、太古(NNA撮影)

NTTコムアジアとMSIGインシュアランス(香港)は26日、香港の日系企業を対象にサイバー攻撃対策をテーマとしたセミナーを開催した。サイバー攻撃の脅威が高まる中、現地法人経営におけるリスク管理の強化が求められているとして、専門家が実例を交えて最新の対策について説明した。

NTTコミュニケーションズ情報セキュリティー部担当部長の間形文彦氏が近年のサイバー攻撃の傾向と対策、セキュリティーマネジメントについて講演した。自社で2020年に起きた不正アクセスを例に、侵入経路や閲覧されたファイルの特定、その後の対策までを紹介し「サイバー攻撃は周辺から攻めて本社に至る。本社につながっている支社、支店、委託先は絶好のターゲットだ」と海外拠点に注意を促した。また「ゼロリスクはありえない」として、侵入されることを前提とした事前・事後対策の必要性を強調した。

NTTコムアジアでシニア・エンタープライズ・アーキテクトを務める柳瀬貴俊氏は、現地法人が抱える課題であるIT資産管理のための最新ツールや、ソフトウエアのセキュリティーリスクと対策を解説。MSIG香港のアシスタント・ビジネス・デベロップメント・マネジャー、伏見弥生氏は、アジアでサイバー攻撃が増えていることやサイバー保険の役割について紹介した。

サイバー保険はサイバー攻撃の被害に遭った際に発生する損害賠償や営業停止による損失利益、原因の調査費用などをカバーする。一定のサイバーセキュリティー対策を導入していなければ加入が困難になるケースがあり、両社のサービスを組み合わせることで必要な対策を整えることができる。

セミナーには35社から計43人が参加した。NTTコムアジアはNTTコミュニケーションズ、MSIGインシュアランス(香港)は三井住友海上火災保険の香港法人。

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