佐々木朗希「ダルビッシュ以上に稼げる!」暴走劇のウラに電通…2024年オフ米国行きで10億円ビッグビジネス

2020年11月、一人で二軍球場入りする佐々木。ルーキーイヤーは、一軍・二軍ともに、公式戦の登板はゼロだった(写真・伊藤 修)

もともとメジャーへの憧れも、将来的にはプレーしたい気持ちもあった。それが2023年春、“世界一”を経験したことで、よりいっそう想いは強くなって暴走したということか――。

1月26日、ロッテの佐々木朗希が契約を更改した。ここまで大幅にずれ込んだ原因は「(ポスティングで)メジャーに行きたい」と主張する佐々木と、「時期尚早」と譲らない球団との折り合いがつかなかったからだ。

「佐々木がメジャー行きを強く主張したのは、WBCでの経験があったから。彼は大谷翔平に憧れ、山本由伸を尊敬している。その2人と長い時間をともに過ごし、メジャーへの想いはより強くなった。

じつは、佐々木がロッテに入団した際に交わした契約書には『将来的にメジャー移籍を認める』といった付帯条件が含まれていた。佐々木は3年間一軍でプレーしたことを主張しているが、ロッテは『チームで実績を残してから』が条件。両者の考えに大きな隔たりがあり、ここまで揉めたんです」(ロッテ担当記者)

たしかに佐々木は、2022年4月10日に史上最年少(20歳5カ月)となる完全試合を達成した。そのことを実績ととらえているようだ。一方で、プロ4年間で一度も規定投球回数に達しておらず、1年間ローテーションを守ったこともない。ロッテにとって、このあたりが譲れない部分だ。

もうひとつ、移籍を認めない理由にメジャーの「25歳ルール」がある。25歳未満の海外選手はマイナー契約となるため、大谷の移籍時もそうだったが、契約金と年俸を合わせても3億円程度に抑えられる。山本がドジャースと12年総額465億円の契約を結び、オリックスには70億円以上の譲渡金が入ったが、佐々木の場合、5000万円前後になる。ロッテにとっては、とても納得のいく金額ではない。

当然こうした仕組みは佐々木も承知しているが、それでもメジャー行きを強硬に主張するのはなぜか。そこにはある“チーム”の存在があると、大手広告代理店関係者が語る。

「佐々木を入団1年めから電通が丸抱えしていると聞いています。2023年のWBC前、佐々木は同じく電通がマネジメントをおこなっている山本と一緒に渡米し、エージェントを介して複数のメジャー関係者と会っています。そのエージェントを佐々木らに紹介したのが電通なんです」

本誌は電通に、佐々木とマネジメント契約を結んでいるのか、代理人などを仲介したのか、質問状を送ったが、「個別の業務に関しましては、守秘義務の観点から回答は控えさせていただきます」との回答だった。

なぜ、電通は佐々木のメジャー移籍を後押しするのか。

「佐々木の渡米後、日本国内におけるグッズ販売やイベント、CMなどを一手に請け負いたいからです」

と、明かすのは電通関係者だ。“令和の怪物”と呼ばれた男は“カネのなる木”として、ビッグビジネスの可能性を秘めているというわけだ。

「ドジャースと巨額な契約を結んだ大谷ほどは望めませんが、ダルビッシュ以上にはなれるのではと目論んでいます。大谷は、CMだけで年間30億円以上稼いでいます。佐々木も活躍次第ですが、年間10億円は見込めるでしょう」(同前)

“チーム・ササキ”の結束は固いように思えるが、契約交渉が長引いた背景には、ロッテが強気に出られない“トラウマ”があるという。

「1996年オフにヤンキース入りを志願して揉めた、故・伊良部秀輝さんの騒動があったから。あのとき、球団も少なからず批判を浴びた。今回ともなると2回めで、しかも相手が“日本の宝”ですからね。球団幹部はイメージダウンを恐れている」(前出・記者)

佐々木は、昨季から選手会を脱退しているが、これにも理由があると続ける。

「ポスティング制度は、選手が不利にならないよう選手会が交渉してきた過去がある。今回の件は、選手会も佐々木のわがままという認識。そういう状況で渡米すれば、選手会から批判が出ることを危惧したのでしょう」(同前)

契約更改を終えたことで、今季はロッテでプレーすることが決定した。だがオフは騒動が再燃する可能性がある。

「山本の代理人が所属する米国の大手エージェント会社『ワッサーマン』が関心を示していて、ドジャースが大本命という話があります。そうなると、2025年シーズンは大谷、山本、佐々木の夢の三本柱となるのですが……」(現地記者)

今シーズン、佐々木はチームのために圧倒的な成績を残して、夢の舞台に飛び立てるか――。

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