相次ぐサービスの終了「動画配信」などインターネット関連事業の競争激化で

写真はイメージです

有名企業によるインターネット関連事業のサービス終了が相次いでいる。

文化放送(東京都港区)は2024年3月末に、アニメやゲームなどのインターネットオンデマンド動画配信サイト「AG-ON Premium(エジオンプレミアム)のサービスを終了する。

MIXI<2121>は2024年3月22日に、友達らと一緒に楽しく話しながら作業できる通話アプリ「mocri」(もくり)を終了する。

東日本電信電話(NTT東日本、東京都新宿区)は2025年3月末に、従量課金型のインターネット接続サービス「フレッツ 光ライト」「フレッツ 光ライトプラス」のサービスの提供を終了する。

いずれも競争の激化や利用者の減少などがサービス終了の理由だ。

これらサービスは少なからずコロナ禍の影響を受けており、コロナ禍前の日常が戻るまで、もうしばらく同様の動きが続きそうだ。

独自の配信サイトで生き残りは困難

文化放送は2017年にAG-ON Premiumのサービス開始し、アニメやゲーム関連のコンテンツを中心に配信を行ってきた。

近年、さまざまな配信サービスが誕生し、機能が多様化する中、独自の配信サイトで利用者が満足できるサービスを提供するのは困難と判断。2024年3月1日に新規入会を停止し、サービスを終了することにした。

オリジナルコンテンツや生配信などのほか「番組の一部を切り取りSNSで拡散するシェア機能」や「感想コメント機能」などの新しい取り組みを導入したが、生き残ることができなかった。

孤独感を和らげる一助に

MIXIは2019年に、友達とふらっと集まれる作業通話アプリとしてmocriをスタートした。

オンラインで作業部屋を作り、友達と通話しながら取り組むことで、漫画などの創作活動や勉強などをはじめとする一人では続けにくい作業を楽しく行うことができる。

コロナ禍で友達と会えない時期に、「mocriが孤独感を和らげる一助になった」との声もあったが、競合が多いこともあり事業の継続を断念した。

利用者の減少が続く

NTT東日本は、インターネットのデータ利用量が少ないユーザ向けのサービスとしてフレッツ光ライトとフレッツ光ライトプラスを提供してきた。

動画サービスなどのコンテンツの大容量化が進み、利用者が減少しており、今後もこの傾向が見込まれることなどから、サービス提供を終了する。

現利用者はフレッツ光ネクストなどの他のサービスへの自動移行を行い、利用予定がない場合は解約を勧める。

またフレッツ光ライトなどの関連設備の維持限界が見込まれることを理由に、2024年4月から2025年3月までの期間は、従量料金は請求せず、基本料金のみで利用できるという。

これら事業の中には、コロナ禍による巣ごもり需要に支えられていた面もあり、巣ごもり需要の減少とともに競争が一段と激しくなることが予想される。このためインターネット関連事業を終了する動きは、今後もしばらくは続きそうだ。

文:M&A Online

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