「どうやってケジメつけるの?」「トップの発言とは思えない」自民安倍派・塩谷立座長“離党・辞職せず”に厳しい声

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件について、安倍派の塩谷立座長が1月28日、地元・浜松市で会見を開き、離党や辞職はしないと表明しました。これらの発言に対して、自覚が足りないなどと、有権者や識者からは厳しい指摘が相次いでいます。

【写真を見る】ようやく地元で会見を開き頭を下げた塩谷立座長だが…

<自民党・安倍派 塩谷立座長>
「20数年間慣行的に行われてきたことは事実でありまして、大変申し訳なく思っている」

28日、地元・浜松市で頭を下げた自民党・安倍派のトップ塩谷立座長。234万円のキックバックを政治資金収支報告書に記載していなかったと認めました。

<自民党・安倍派 塩谷立座長>
「何だこれはというような。びっくりしましたね」

自民党を揺るがす政治資金パーティーをめぐる裏金問題。塩谷座長は自らがトップを務める安倍派の裏金問題についていつ誰が始めたのか不明で、自分がキックバックを受けていたことは、まったく知らなかったと弁解しました。

これまで地元での説明を避け続けたことについては、「検察の捜査が続き全体を把握し話せるだけの情報が無かった」と釈明。注目された進退については次のように語りました。

<自民党・安倍派 塩谷立座長>
「誰かが責任を取って辞めるとか離党するとか、そういうことで幕引きするような、そんな状況になることの方が問題だろうと」

「政治とカネの問題」や党の在り方に向き合うとし辞職や離党を否定。次の選挙に出馬する意向も示しました。

<野田栞里記者>
「今回、塩谷座長が表明した今後のスタンスについて、地元からは疑問の声も聞かれました」

<60代男性>
「どうやってケジメつけるのって。『法律違反』を犯しているんだもんで」
Qケジメってどうしたら?
「辞めるべきじゃないの、やっぱり」

<70代女性>
「もう一回選挙に立候補して、市民がどういうふうにその時評価するのか。それが一番じゃないかなと思います」

国政に詳しい専門家は、塩谷座長が事の重大さを認識できていないと厳しく指摘します。

<法政大学 白鳥浩教授>
「『トップである塩谷座長の発言』とは思えません。立件を免れた、逮捕もされなかったわけですけれど『不法行為を行った団体のトップである』事実は変わらないわけです」

『法的責任』は免れたとしても、『政治的責任』があると強調します。

<法政大学 白鳥浩教授>
「潔く自民党を離党する、もっと受け止めるのであれば一度議員から身を引くというような決断をなさった方が政治家としてのひとつの責務の在り方だろう」

白鳥教授は、塩谷座長が離党しないと理由について、次の選挙を見据えているのではと指摘しています。前回の衆院選で塩谷座長は小選挙区では落選し、比例復活で当選しています。今回、もし離党すれば、次回出馬しても「比例復活」はできず、選挙戦がかなり厳しくなるのでは、という見方です。

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