ジダン、家長昭博を例に…鹿島新監督が“ボランチ知念慶”を熱烈プレゼン!「良い選手はどこでもできる」「固定観念が一番危険」

大分トリニータ、FC町田セルビア、FC東京、セレッソ大阪などを経て、今季から鹿島アントラーズを率いるランコ・ポポヴィッチ新監督が、知念慶の魅力を熱量たっぷりにプレゼンした。

沖縄県出身で現在28歳の知念は、昨季に川崎フロンターレから鹿島に加入。移籍1年目はJ1で21試合に出場し、5ゴールをマークした。ポジションはFWだが、多彩な役割をこなす万能型が売りだけに、指揮官はボランチ起用も視野に入れているようだ。

1月29日に行なわれた宮崎キャンプでの練習後、ポポヴィッチ監督は世界最高のフットボーラーとも称されるジネディーヌ・ジダンの名も挙げながら、知念についてこう語った。

「最初に言いたいのは、知念は非常に良い選手だということ。ボールを持っている時も落ち着いているし、周りが見えている。『良い選手であれば、どこでもできる』が私の持論です。ジダンもキャリア終盤は最終ラインでプレーしていましたし。レアル・マドリーでね。

知念も良い選手だから、ボランチでプレーできないわけがない。能力からしたら間違いなくボランチで良いプレーができると思うけど、大事なのはどれだけ『自分はボランチでもできる』と思えるか」

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日本での経験が豊富な指揮官はさらに、大分時代に指導した家長昭博(現・川崎)も好例として提示。懐かしいエピソードを披露した。

「大分でアキをボランチで使ったこともあります。その時はみんなから『ボランチができるわけない』と言われましたが、その当時J1トップを走っていた川崎相手に、MOMを取る活躍をしました。こうだからってラベルを貼って判断するのが一番危険です。固定観念は捨てて、自分の目でしっかり見て判断すること。可能性、幅を広げることがすごく大切。

知念はテクニックがあって、フィジカルの強さもある。フォワードですから常にハイプレッシャーの中でプレーが求められている。そこでは早い判断が必要ですよね。ボランチでプレーできる要素はしっかり持っている。ゲームの流れを読んでプレーできるのも知念ですから。彼の能力があれば、十分できると私は思っています」

知念は中盤で新境地を切り開くのか。少なくともポポヴィッチ監督は適応を超えた活躍を確信している。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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