被災地にあんこう鍋 北茨城市が職員派遣 3カ所で炊き出しへ 能登地震

珠洲市に向けたあんこう鍋の炊き出しの道具を積み込む北茨城市職員=同市関南町仁井田

茨城県北茨城市は、能登半島地震で被災した石川県珠洲市に、あんこう鍋約1200食を提供する。両市は「全国あんこうサミット」を通じ交流を持っている。北茨城市職員8人と車両3台が30日に出発。31日に現地の避難所3カ所で炊き出しを行い、鍋を提供する。併せて備蓄食料などの物資を、珠洲市のほか、東日本大震災時に支援を受けた同県輪島市にも届ける。

北茨城市では毎年、全国のアンコウ産地の飲食店などが集まる同サミットが開催され、珠洲市内の団体が参加してきた。今回の地震で同市が被災。同実行委員会が今年のサミットの中止を発表していた。

北茨城市は、同サミット参加団体などを通じて支援の調整を行い、珠洲市内の避難所での鍋の炊き出しを決めた。炊き出しには北茨城市観光協会がイベント用に備蓄していたアンコウ約160キロを使う。

29日、同市職員や市内の事業者らは、鍋の仕込みや道具などの積み込み作業に追われた。市商工観光課の鈴木靖課長(50)は「東日本大震災の時に全国の皆さんから心温まる支援をいただき、恩返しも含めて力になりたい。珠洲市の皆さんに温かい鍋を食べてもらい、活力になれば」と話した。

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