失業率12月は2.4%に改善、非自発的な離職が減少 有効求人倍率1.27倍に低下

Kentaro Sugiyama

[東京 30日 ロイター] - 政府が30日発表した2023年12月の雇用関連指標は、完全失業率が季節調整値で2.4%と、前月から0.1ポイント改善した。定年や契約満了、勤め先・事業の都合などによる非自発的な離職が減少した。有効求人倍率は1.27倍となり、前月から0.01ポイント低下した。

完全失業率はロイターの事前予測調査の2.5%を下回り、23年1月以来の低水準となった。

総務省によると、12月の就業者数は季節調整値で6763万人と、前月に比べて12万人減少。一方、完全失業者数は前月に比べて8万人減少し、169万人となった。

23年平均の完全失業率は2.6%で、前年と同水準だった。より良い条件の仕事を求める自発的な離職が増えている。コロナ前の19年(2.4%)には届いていないものの、就業者数(実数)は6747万人と、前年に比べて24万人増加。19年に次ぐ過去2番目の高水準となった。

総務省の担当者は、雇用情勢全体を判断するのは難しく、この先の就業者数と完全失業者の推移を注視していくとしている。

<有効求人数増加、雇用「悪化しているとは言えない」>

有効求人倍率は、仕事を探している求職者1人当たり企業から何件の求人があるかを示す。ロイターの事前調査では1.28倍と見込まれていた。

厚生労働省によると、人の移動の活発化で宿泊・飲食業などの求人が増え、12月の有効求人数(季節調整値)は前月に比べて0.2%増となった。

一方、有効求職者数(同)は0.5%増。賃上げ機運の高まりや人手不足を背景により高い賃金水準への転職を希望するケースや、業務負担の増加で転職を希望するケースがみられるという。

有効求人倍率は低下したものの、厚労省の担当者は「有効求人数が増えており、これをもって雇用情勢がすごく悪化しているとまでは言えない」とコメントした。

同時に発表された23年の有効求人倍率は1.31倍で、前年から0.03ポイント上昇した。19年(1.60倍)以来の高い水準となったが、コロナ前を完全に回復したとはいえない。

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