エンゼルスがヒックスと1年契約 元有望株アデルの立場が微妙に

日本時間1月30日、エンゼルスはオリオールズからFAとなっていた両打ちの外野手、アーロン・ヒックスと1年契約を結んだことを発表した。ヒックスはヤンキース時代に結んだ7年7000万ドルの契約が2025年シーズンまで残っているため、年俸の大部分を負担する義務はヤンキースにあり、エンゼルスが負担するのはメジャー最低保証年俸の74万ドルだけとなる。控え外野手としてヒックスが加入したことにより、マイナー・オプションが切れている元有望株ジョー・アデルの立場が微妙になった。

現在34歳のヒックスはヤンキース移籍3年目の2018年に自己最多の27本塁打を放ち、7年7000万ドルの長期契約を結んだが、故障や不振により2019年以降は低迷。昨季も開幕からの28試合で打率.188に終わり、ヤンキースは2025年シーズンまで契約が残っているにもかかわらず、ヒックスの解雇を決断した。その後、ヒックスは同地区のオリオールズと契約し、65試合で打率.275、7本塁打、OPS.806と復調。シーズントータルでは93試合に出場して打率.253、8本塁打、36打点、6盗塁、出塁率.353、OPS.736を記録した。

ヒックスはスイッチヒッターだが、左腕を得意にしており、キャリア通算で左腕に対してOPS.758を記録(対右腕は.702)。特に昨季はその傾向が顕著で、左腕に対してOPS.970をマークした(対右腕は.663)。ペリー・ミナシアンGMは「それは重要なことであり、我々が本当に注目したことでもある」と話しており、左腕を苦手としているミッキー・モニアックとのプラトーン起用が有力視される。

ヒックスの加入によって浮上するのがアデルの処遇の問題だ。アデルはすでにマイナー・オプションを失っているため、エンゼルスがアデルをマイナーに降格させるためにはウエーバーを経由する必要がある。他球団に奪われるリスクを冒さなければならないというわけだ。

ミナシアンGMは「どんな可能性も排除しない。スプリング・トレーニングが重要になる」と語り、マイク・トラウト、テイラー・ウォード、モニアック、ヒックス、アデルの外野手5人全員を開幕ロースターに入れる可能性を現時点では否定していない。アデルがエンゼルスの一員として開幕を迎えられるかどうかは、スプリング・トレーニングでのパフォーマンス次第ということになりそうだ。

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