寒い冬は排尿に関するトラブルが急増!?専門医に聞いてみました!

厳しい寒さが続く冬は、排尿時に痛みがある、トイレに行ってもすっきりしない、血尿が出るなど、排尿に関するトラブルを抱える人が多くなるそうです。あまり人には相談できない尿のお話。近鉄奈良駅から徒歩1分、小西通りにある「たに泌尿器科クリニック」の谷満先生に聞いてきました。

地域の医療を支える「たに泌尿器科クリニック」は、近鉄奈良駅からのアクセスが良いため仕事帰りに通院する人が多い

Q:泌尿器科で、冬に多くなる病気ってありますか?

夏の暑い時期もそうなんですけど、今の時期も、膀胱炎になる人が多いですね。膀胱の中で細菌が繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気で、女性に多いです。症状としては、排尿痛がある、頻繁にトイレに行くが量が少なく残尿感があるなどです。さらに、尿検査で尿中に白血球や細菌が認められれば膀胱炎と診断されます。

気さくになんでも相談にのってくれる院長の谷満先生は、日本泌尿器科学会専門医で医学博士でもある

Q:冬と膀胱炎はどういう関係があるのですか?

原因のひとつとして、冷えや疲れで免疫力が低下することが挙げられます。また、冬は喉が渇きにくく、さらに頻繁にトイレに行くことが嫌なので水分補給を怠りがちとなり、尿量が少なくなり、細菌に感染しやすくなります。尿量が多いと膀胱に細菌が進入しても尿といっしょに流れて行くのですが、尿量が少ないと細菌を十分に排出する事ができなくなり、その結果、細菌が繁殖して膀胱炎を発症するのです。

Q:膀胱炎の予防としてできることはありますか?

膀胱内に細菌を入れない事が重要です。排尿後、紙で拭く際には、肛門から尿道に向かって拭くと菌が入りやすくなるので、拭くというよりは当てるという感じで軽くおさえて、尿を吸い取ってください。また、ウォシュレットを勢い良く使うと、後ろの方から細菌が飛び散って入るという事もあるようです。できれば使わないか、水流は緩めの方がいいと思います。また、膀胱炎は身体の抵抗力が落ちている時になりやすいので、しっかり休養して疲れをためないようにしてください。さらに冬場は、食事はなるべく温かいものをとるようにする、筋肉量が低下しないよう適度に運動をする、ぬるめのお風呂にじっくりつかるなど、冷え対策をしっかりとるように心がけることはもちろんのこと、寒いからと言って水分補給は怠らず、トイレは我慢しないようにしてください。

Q:膀胱炎はどれくらいで治るのでしょうか?

処方薬を服用後、3日もすれば症状が落ち着く人がほとんどです。1週間ほどしてから再来院いただき、尿が綺麗になっているか、また、症状が改善しているかを確認させてもらっています。また、原因となっている細菌を調べ、どのような薬が効果があるのかも調べます。もし、症状が改善しないとか、治ってもすぐに再発する場合は、別の病気を疑い、原因を探ります。

リフォームして広くなった受付と待合室は、シンプルで落ち着いた雰囲気

Q:他に、冬に多い病気はどんなものがありますか?

寒くなると、トイレが近くなったり、急な尿意で慌ててトイレに駆け込んだり、間に合わなかったりする症状を訴える人が多くなります。原因として一番多いのは女性の方に多い過活動膀胱という病気で、男性の方でも見受けられます。冷え性対策や骨盤底筋体操など生活指導をおこなったり、投薬で症状の改善をはかります。また、高齢男性の場合、前立腺肥大症により、特に夜間トイレが近くなる症状を訴える人が多くなります。薬物治療や場合により手術をお勧めすることもあります。

Q:泌尿器科というのは、なんとなく行きづらいのですが。

誤解されている方が多いと思いますが、恥ずかしいと思われるような検査をする事はほとんどないんですよ。多くの場合、尿検査や超音波などの簡単な検査だけで診断、治療が可能です。その場で尿を顕微鏡で見て、すぐに検査結果を出せますので、長時間お待たせする事もありません。超音波検査で診る場所は下腹部と腰部で、腎臓や膀胱、さらに男性の場合、前立腺に異常がないかを調べるものです。症状に応じ、必要があれば薬を処方しますし、生活指導とアドバイスだけで治る方もおられます。

広くて清潔なトイレ。小便器の上に検尿の受け渡し窓口がある

また、前立腺肥大症など排尿障害の疾患検査のため、当院の専用便器で普通に排尿していただくだけで、自動的に尿の勢い、排尿量、排尿時間を計測しグラフ化する事ができる尿流量測定検査があります。

超音波診断装置(エコー)を使って体内の形状などを可視化する
顕微鏡で尿の中に血液が混ざっていないか、細菌がないかなどを調べる

泌尿器科だからこそできる検査には、先ほどの尿流量測定検査以外に膀胱がんを早期発見するための膀胱内視鏡検査もあります。

当院では、パイプカットと包茎手術も行っています。また、おねしょ、停留精巣、陰のう水腫、亀頭包皮炎などの小児疾患や前立腺がん検診、男性のみですが、淋病、クラミジア尿道炎、梅毒などの性感染症、さらに男性の更年期障害も診ております。うつになったり、夜眠れなかったり、イライラしたり、そういう症状がある男性の方は、血液検査で男性ホルモンの値を測定し、数値が低ければ、ホルモン補充療法を行います。

不快な思いをほっておくと生活を損ねますので、我慢をせず気軽に診察を受けていただければと思います。

2階が入り口になっている

Q:ありがとうございました。

医院名 : たに泌尿器科クリニック
住所:奈良市小西町25-1 奈良テラス2F
アクセス:近鉄奈良駅4番・6番出口から小西さくら通りを南へ徒歩1分
電話番号:0742-20-6800
営業時間:【月・火・水・金】9:00~13:00/16:00~19:00
【土】9:00~12:00(午後はなし)
休診日:木・日・祝
駐車場:あり(提携駐車場)

※この記事は取材当時の情報です。

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