にぎわい拠点!「豊洲 千客万来」開業へ

豊洲市場の賑わい拠点がついに誕生です。豊洲市場のオープンから5年以上遅れ、今週木曜(2月1日)に開業する新たな観光拠点「豊洲 千客万来」の内部が1月29日、一足早く公開されました。

(田中記者)
「築地の伝統を継ぎ、新たな賑わい創出を目指すという千客万来。この施設では食事と温泉の2つが楽しめるんです」

豊洲市場のすぐ隣に開業を控えた「千客万来」。その魅力はなんといっても…!

(田中記者)
「まずは食事。江戸の古き街並みを再現した豊洲場外、江戸前市場では、豊洲市場の新鮮な食材を使った飲食物販店が並びます」

3つのフロアに、およそ70店舗が集まる「食のゾーン」では、豊洲市場の仲卸が目利きした新鮮な食材が揃います。江戸の名物の1つとして知られるウナギに舌鼓。

また、訪れた人が気軽に食べ歩きがしやすいよう、串に刺して提供されるメニューも充実しています。

そして「豊洲の食」を堪能したあとは、温泉でのんびり。神奈川県の箱根や湯河原からタンクローリーで毎日運ばれる温泉を使った開放感あふれる露天風呂や、東京湾が一望できる足湯がオープンします。

(万葉倶楽部 高橋眞己 副社長)
「ようやくここまできましたが、スタートって感じがしますね。食を楽しむというところで、"うまさの聖地”といいますか、そういったところをやはり出していきたい。そしてまた温泉のほうは、静かにくつろいでいただく施設になるかなと。市場と連携していかないといけませんし、一緒になって盛り上げていきたい」

当初、豊洲市場と同時オープンを目指していた豊洲のにぎわい施設。都の対応に反発した事業者が一時、撤退を検討するなど、開業は5年以上遅れ、市場周辺では今も、賑わい創出が課題となっています。

市場周辺の活性化へ、「千客万来」の集客力に期待が寄せられています。

(ウナギ専門店)
「皆さん築地行かれてしまうけど これをきっかけに豊洲市場に、皆さん、名前が千客万来なので、ぜひいらっしゃっていただきたい」

(マグロ専門店)
「近隣の活性化が一つ。やっぱり外国の方の観光が一つ。温泉に入っていただいて、こちらで美味しいものを食べていただいて、お買い物していただいて賑わっていけばと思っています」

千客万来をめぐっては、開業の延期や事業者の撤退の危機を乗り越えた、まさに「紆余曲折」の歴史があります。

豊洲のにぎわい施設は、構想が明らかになったのが、今から12年以上前の2011年7月。江東区が、豊洲市場の移転を受け入れる条件として挙げた「にぎわい施設の整備」を東京都が約束したことから始まります。

そして2016年3月に事業者が万葉倶楽部に決定します。この時は豊洲市場との同時開業を目指していました。しかし、その翌年、豊洲市場の移転元となる築地市場跡地の活用について、小池知事の発言が事態を急変させます。

(小池知事)
「食のテーマパーク機能を有する新たな市場として、東京をけん引する一大拠点とする考え方であります。」

2017年6月、小池知事が築地市場の跡地に「食のテーマパーク」を整備すると突如、発表しました。この発言に事業者の万葉倶楽部側が猛反発。築地と豊洲が近いため、「採算がとれない」として、撤退を検討する事態にまで発展します。

そして都と事業者の交渉は平行線をたどり、翌年、事態を収束するため、小池知事が万葉倶楽部の会長と直接面会して謝罪。こうして事業は再び動き出し、開業は「2023年の春」を目指すことになりました。

しかし、そこで発生したのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。2022年4月、新型コロナの影響などで、事業の再検討を余儀なくされ、開業が延期されることに。

このように、まさに紆余曲折を経て、今週の開業を迎えることになります。構想から12年以上を経て、ようやく開業するにぎわい施設。千客万来は、2月1日に開業します。

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