「緩やかに持ち直し」維持、5カ月連続 日銀県内月例、個人消費堅調

 日銀山形事務所は29日、県内金融経済概況(月例)を発表し、基調判断を5カ月連続で「緩やかに持ち直している」とした。個人消費が引き続き堅調なため。個別6項目も判断を据え置いた。

 先行きに関し、川村憲章所長は「昨年以上の賃上げ方針を固めた企業がある。賃上げが継続し、所得面から個人消費を支えていけるかが今後のポイント」とした。

 個別6項目では、個人消費は「回復している」を続けた。物価上昇に伴う節約志向がみられ、一部に売り上げ改善の一服感がみられるが、新型コロナウイルス禍で先送りされた需要が底堅く、全体をけん引した。

 年末年始は帰省客や旅行客が増え、飲食・宿泊を中心にサービス消費が好調だった。11月の販売は百貨店・スーパーが15カ月連続、ドラッグストアが32カ月連続で前年を上回り、コンビニは前年を下回った。

 生産はスマートフォンとパソコンの世界的な不振、中国経済の減速のため「持ち直しの動きが足踏みしている」を継続した。一方、スマホの世界需要は下げ止まりの兆しがあり、電子部品・デバイスのウエートの高い本県の生産は持ち直しが期待されるという。

 設備投資は単月でみると増減があるものの、全体では横ばいのため引き続き「横ばい圏内の動きとなっている」とした。そのほか雇用・所得環境も「持ち直している」、公共投資と住宅投資も「横ばい圏内の動きとなっている」のままとした。

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